2018年9月29日18:00
相場の実態と連動しない日経平均株価
〜出遅れ中小型成長株反騰の公算〜
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9月28日に日経平均株価が一時489円高の24286円を付けて、年初来高値となり、1991年以来27年振りの高値となった。
しかし、下記の表が示すようにこの日の東証1部の2105銘柄の内値上がり銘柄が1399銘柄と66%しか上がっていない。つまり3分の一は値下がりしている。しかし、日経平均株価が70円高の9月25日の場合、値上がり銘柄は1777銘柄と84%が値上がりしている。
年月日
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日経平均株価
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値上がり銘柄
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2018年9月28日
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323円高
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1399銘柄
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2018円9月25日
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70円高
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1777銘柄
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東証一部上場銘柄の約10分の1の225銘柄で構成されている日経平均株価は全体と動きと異なるケースがよくあるが、原因は日銀による年間6兆円のETF買いと先物による影響と言える。
次に日経平均株価、TOPIX,東証2部、ジャスダックの指数の推移と業績について分析したい。
表@は日経平均株価の2017年6月24以降の推移であるが、赤の線は2018年3月23日以降の動きである。表Aは3月23日以降の日経平均、TOPIX,東証2部、ジャスダックの推移である。
指標
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PER
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今期(予想)
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前期
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日経平均株価
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13.88
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13.30
|
TOPIX
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15.10
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14.55
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東証2部
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5.84
|
7.23
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ジャスダック
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14.02
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23.18
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上記は会社発表の業績予想数字によるPERである。従って、今期の増益率は下記の通りである。
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今期増益率
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日経平均株価
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△4.17%
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TOPIX
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△1.7%
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東証2部
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23.8%
|
ジャスダック
|
65.3%
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会社の予想数字によると、東証一部の企業は減益予想(但し、企業の想定為替レート105円が多く、現在113円と円安であるので、増額修正の可能性がある。)であるが、東証2部やジャスダックは大幅増益と見込んでいる。しかしながら、表Aの様に、今年の3月23日以降の東証一部や日経平均株価は20%近く上昇しているにもかかわらず、東証2部とジャスダックはほとんど上昇していない。
指標
|
増益率
|
株価推移
3/23〜9/28
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日経平均株価
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△4.17%
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(+)17%
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TOPIX
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△1.7%
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(+)16%
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東証2部
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23.8%
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(−)3%
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ジャスダック
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65.3%
|
(+)3%
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この様に東証2部とジャスダックの出遅れが明確であり、今後、東証2部とジャスダック等の中小型株が東証1部の大型株のパフォーマンスを大きく上回る可能性が高い。
2018年8月14日19:00
マザーズ指数年初から30%下落で底打ちか
〜メルカリ、ミクシーの大幅下落の影響大〜
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時価総額加重型で算出されるマザーズ指数は年初から30%の大幅下落をした。メルカリはマザーズ指数の時価総額の9%を、ミクシーは6%を占め、それぞれ時価総額ウェイトの1、2位を占め、2銘柄合計で約15%を占めているが、メルカリは高値から40%、ミクシーは66%下落した結果、マザーズ指数を大きく引き下げている。
下記は最近のマザーズ指数の下げ相場を示している。
年/月/日
|
高値
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年/月/日
|
安値
|
下落期間
|
下げ率
|
2115/6/24
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1035
|
2015/8/26
|
672
|
2カ月
|
35%
|
2016/4/21
|
1230
|
2016/11/9
|
798
|
7カ月
|
35%
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2018/1/24
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1367
|
2018/8/13
|
959
|
7カ月
|
30%
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2015年以降、下げ期間は最大7か月で下げ率は最大35%である。今回の下げ率は35%まで至っていないが、下げ期間が7か月となっており底値の可能性が高いと考える。メルカリ、ミクシーの底値感はないが、マザーズ指数を構成する他の銘柄は底値を示唆する銘柄が多くマザーズ指数は反転する可能性が高い。
2018年7月23日20:00
実態と遊離している日経平均株価 |
7月23日、日経平均株価は300.89円安の22396.99円と大幅下落した。日経平均株価は上場3630銘柄の代表指標となっているが、東証一部の225銘柄で構成されている。しかも日経平均株価への寄与率の高い数銘柄の動きで大きく変動する。今日もファーストリテイリングの下落は日経平均株価の300円下落の内の100円を占めている。
下記は7月23日の各指標の騰落率である。
指数
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下落率
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日経平均株価
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マイナス1.33%
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TOPIX
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マイナス0.36%
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ジャスダック指数
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マイナス0.32%
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マザーズ指数
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マイナス0.77%
|
東証2部
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マイナス0.28%
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日経平均株価の300円安は大幅下落だが、TOPIXと同じの0.36%安であれば、日経平均株価は82円安と小幅安となり、7月23日の株式市場の実態は小幅安で方向性を変えるものではない。
2018年7月20日20:00
〜追加関税負担は為替で相殺〜
米国企業の対中競争力は改善せず
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米国は7月6日に340億ドルへの追加関税発動後に2000億ドルへの追加関税を課すことを発表した。340億ドル分は中国が同額の報復関税を発動したが、2000億ドルへの報復関税策は発表していない。従って、現在の中国の追加関税負担は2000億ドル分のみである。追加関税負担増は2000億ドル×10%=200億ドルである。一方、ドル円為替は4月2日の1$=6.2764元から7月20日1$=6.7988元と8%元安となっている。中国の米国への年間輸出総額は5000億ドルであることから、為替メリットは5000億ドル×8%=400億ドルとなっている。従って、200億ドルの追加関税負担は400億ドルの元安為替メリットで十分カバーできており、現時点では中国の米国への輸出の追加関税の実質負担はなくなる。
この様に追加関税は為替で調整され効果がないことから、米国はFRBの利上げ策を見直しドル高を抑えるなどしないと米国企業の対中競争力の改善には繋がらない。
2018年7月12日20:00
〜米中貿易摩擦不安は徐々に後退か〜 株価も徐々に回復基調に
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7/10にトランプ大統領が中国に2000億ドルへの追加関税を発表したが、直前に340億ドルへの追加関税を発動したばかりで想定外のタイミングでの発表により日経平均株価も一時450円の大幅下げとなった。
中国への340
億ドル制裁関税への報復税を中国がすぐ発動した為に米国が予定していた案を前倒しで実施したようだ。
しかし、この2000億ドルの追加関税はこのままの案での発動は難しいと考える。
その理由として、@追加関税6031品目はハンドバック、化粧品、帽子、水産品、野菜、果物等、生活に身近な商品がほとんどで米国の消費者が直接負担することになり、国民不満に直結する。A全米小売協会が、雇用が損なわれて経済がマイナス成長に陥る前に、政府の方向転換を要望すると発表している。B与党の共和党の重鎮である米上院財務委員会のハッチ委員長は2000億ドルの追加関税措置は無謀であると批判している。C中国の米国からの輸入総額の1300億ドルを上回っており、中国も報復策を打ちにくい。Dこの案は9月以降の発動前に一般からの意見を公募するとのことであり、反論が多いことが考えられる。
したがって、この追加関税策は中国の出方もわからないが米国民の反対が多ければ大幅修正か見送りを余儀なくされる可能性もあるのではないか。
株式市場は米中の貿易摩擦の山は越えたとして、徐々に回復基調に戻る展開を予想する。
2018年7月6日9:00
テクニカル的には底値を示唆 |
7月5日にマザーズ指数の騰落レシオ(25日)が70.7%と2018年で最も低い数値になり、東証の新安値銘柄数は543銘柄と2017年4月6日の632銘柄数に次ぐ。
2015年以降のマザーズ指数の安値に対する騰落レシオボトムと新安値銘柄数は以下の通りである。
年
|
月/日
|
マザーズ指数安値
|
月/日
|
騰落レシオ
ボトム
|
新安値
銘柄数
(月/日)
|
2015年
|
8/25
|
682.85
|
8/25
|
53.4%
|
852(8/25)
|
2016年
|
2/12
|
664.92
|
1/21
|
56.4%
|
1023(2/12)
|
2016年
|
11/9
|
798.86
|
8/9
|
70.5%
|
147(11/9)
|
2017年
|
4/13
|
862.14
|
4/14
|
66.2%
|
632(4/6)
|
2018年
|
7/5
|
991.50
|
7/5
|
70.7%
|
542(7/5)
|
株価の安値と騰落レシオボトムは、2016年は多少ずれがあるが2015年と2017年はほぼ一致している様にかなり相関性が高い。
7月6日に米国が340億ドルの中国製品に追加関税を課し、それに対し中国が同額の米国製品に報復関税を発動するとしていることはかなり相場に織り込まれていると思われる。しかし、更なる米中の貿易摩擦の行方は見えないことで読みにくいが、テクニカル的にはいつ底を打ってもおかしくない状況にある。
2018年7月3日22:00
底なしムードの中で底値確認か
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貿易摩擦の先行き不透明な中で底なし感が強まっている。大手ネット証券での信用評価損率が20%を超えている様に、個人投資家はかなり厳しい状況に追い込まれている。株式市場の最大の懸念要因はトランプ大統領の通商政策であるが、解決不能の問題ではない。従って、10年〜20年に一度しかないような異常な下げ相場にはならないと考えるべきである。
そこで、2015年以降の小型株の代表指標のマザーズ指数の下げ相場の状況を表@に示したが、2015年から2018年の下げ相場期間は2カ月から6カ月で下げ率は20%から35%であり、東証の新安値銘柄は127銘柄から850銘柄であった。
今回は調整期間が5カ月間で25%の下げ率で東証の新安値銘柄が434銘柄となっており、底値を付ける条件は揃っていると言える。大型株の代表指標であるTOPIXについては表のAに示しているが、TOPIXと日経平均には年間6兆円の日銀のPKOと言えるETF買いが入って自然な相場と言えず、株価分析結果は参考にならないと思われる。
(表1)最近の小型株代表指数のマザーズ指数の調整期間と下げ率
年
|
高値
|
月/日
|
安値
|
月/日
|
調整期間
|
下げ率
|
新安値
銘柄数
(月/日)
|
2015年
|
1035.27
|
6/24
|
672.86
|
8/25
|
2カ月
|
35%
|
852
(8/25)
|
2016年
|
1230.62
|
4/24
|
798.86
|
11/9
|
6カ月強
|
35%
|
147
(11/9)
|
2017年
|
1214.41
|
6/23
|
997.56
|
9/6
|
2カ月強
|
20%
|
127
(9/6)
|
2018年
|
1367.86
|
1/24
|
1031.40
|
7/3
|
5カ月強
|
25%
|
434
(7/3)
|
(表2)直近の大型株代表指数のTOPIXの調整期間と下げ率
年
|
高値
|
月/日
|
安値
|
月/日
|
調整期間
|
下げ率
|
新安値銘柄数
(月/日)
|
2018年
|
1911.31
|
1/23
|
1645.16
|
3/26
|
2カ月
|
15%
|
172
(3/26)
|
2018年
|
1819.74
|
5/21
|
1681.06
|
7/3
|
2カ月
|
10%
|
434
(7/3)
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2018年6月20日22:00
米中の貿易摩擦が拡大する中で
〜短期調整終了か〜
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米国が次々と打ち出す対中制裁措置に中国が報復措置を打ち出す等、底なしの貿易摩擦に見通しが立たない状況ではある。
この様に最終決着の見通しは難しいがトランプ大統領による独特の落としどころを考えた強気の交渉術だと思われる。
しかし、堅調な米国経済や企業業績、日本企業業績から判断して更なる株価の下押しの可能性は低いのではないか。
6月19日、マザーズ市場で時価総額7000億円の新規上場銘柄のメルカリを買うために既存のマザーズ銘柄等が売られたことも影響し、マザーズ指数は1月24日の1367.86ポイントから20%以上下落、6月20日に今年最安値の1071.07ポイントを付けた。
6月20日は下落銘柄が多く東証の新安値銘柄が346銘柄と今年最大であった。
2018年5月21日10:00
今後、中小型株優位相場の可能性大
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中小型の代表指標のマザーズ指数と大型株の代表指標の日経平均株価及び東証一部を比較分析するために下記の通り、株価推移と騰落レシオの比較チャートを作成したが、中小型の出遅れが明らかである。今後、中小型株優位相場になる可能性が高い。
マザーズ指数÷日経平均株価は0.45から0.65のレンジで変動しており、現在は0.50と低い水準であり、0.65まで上方に変動する可能性がある。つまり、マザーズ指数は日経平均株価相対比較で30%上昇見込みがあることを意味する。
緑色チャートはマザーズの騰落レシオであるが、東証一部との騰落レシオ比較チャート(赤色)は0.7から1.1のレンジで変動している。現在は0.75と相対的に低い水準であり、1まで上方に変動する可能性が高い。つまり、東証一部相対比較でマザーズ騰落レシオの25%上昇が見込める。
米国では中小型株の代表指標のラッセル2000が最高値を更新しており、日本株市場も中小型株の反騰が期待できる。
2018年4月18日9:00
マザーズ指数の大幅下げ〜底値示唆か
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4月17日、日経平均株価が底堅く推移する中で小型成長株の代表指標であるマザーズ指数は一時3.58%安の1082.23ポイントまで下落した。個人投資家の追証の投げや小型株投信の解約が一時的に異常な下げを招いたようだ。騰落レシオ(25日)は83.5%と大底を示唆する程ではないが、1月24日の高値の1367.86ポイントから20%以上下落している。
ファンダメンタルズを反映した下げではなく、一時的な需給悪によるテクニカル的な下げであるので、マザーズ指数は反発に転じるものと思われる。
2018年4月9日8:00
次々と打ち出すトランプ大統領の対中追加関税策の影響
米中共経済的マイナス効果〜中間選挙を意識した交渉術か
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トランプ大統領は中国等に鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課し、更に中国の知的財産権侵害を理由に中国産品1300品目に高関税をかける方針を示した。
これで終了と思いきや、4月5日に中国に対し1000億ドルの追加関税の検討を通商代表部(USTR)に指示したが、これに対し、中国はいかなる代償を払ってもあらたな包括的措置を講じると表明した。
この様に次々と打ち出す主として中国を標的にした追加関税政策は経済的観点から、中国だけでなく、米国にもマイナスの影響があると考えられる。
中国の企業は追加関税で米国への輸出競争力が弱まり利益率と数量が減少する。一方、米国側は、原材料は輸入価格アップで原材料生産企業の競争力は改善するが、原材料を仕入れる加工メーカーはコストアップとなり競争力が減退する。一般消費財については消費者が追加関税分高い価格で購入させられ消費減に繋がる。米国政府は追加関税分税収アップとなる。
トランプ大統領が追加関税策を打ち出すごとに米国の株価が大きく反落した様に、株式市場は米国経済にもプラスに働かないと捉えている。
米国の追加関税策について、米国政府高官は貿易戦争ではなく、交渉であると表現しているが、実施までの2カ月の猶予期間内に交渉が成立するのではないか。11月の米国の中間選挙を控え、トランプ大統領は共和党の支持率アップを図る意図があると思われる。
2018年3月24日18:00 W
不透明な貿易摩擦
〜今週は調整最終局面入りか〜
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トランプ政権は鉄鋼、アルミの輸入制限の後、更に中国に対し知的財産の侵害として1300品目、600億ドルの製品に追加関税を課すことを発表したが、それに対し中国が米国産豚肉とワインに追加関税措置を発表した。このように貿易摩擦が今後、どのように発展するのか不透明なことから株式市場は世界的に調整色が強まっている。
今週は日経平均株価が20,000円大台をキープできるかの厳しい局面になりそうだが、日経平均株価の今期のEPSは1687円で20,000円だとPERは11.85倍と異常ともいえる低い数値になり、底値となる可能性が高いと言える。
貿易摩擦の状況下では輸出関連の大型株が敬遠されることから日経平均株価よりマザーズやジャスダック等の内需の中小型株が優位な相場環境と言える。
2018年3月16日16:00
〜的外れの日銀の金融緩和政策の出口論〜
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野党の政治家や経済評論家は日銀の金融緩和の出口つまり金融緩和政策をいつ止めるのかを課題にするが、これは分かり易くプロ野球に例えると、高いハードルに挑戦している大谷選手にメジャー選手をいつ辞めるのかとかいつプロ野球をやめるのかと質問するのと同じような意味合いであり的外れと言わざるを得ない。
日銀はデフレ脱却を果たす為大規模な金融緩和策を取っており、消費者物価目標2%をベースに経済成長率2%、賃金上昇率3%を目標としている。しかし、現状はコアの物価上昇率は0.5%、経済成長率は1%前後、賃金上昇率は0%と目標とは程遠い。政府や日銀はデフレからは抜け出たような表現をしているが、現状はデフレ体質から抜け出ていないというのが正しい。
米国は金融緩和政策でバランスシート不況(注@)から脱却できたのは、FRBは米国債とMBS(住宅ローン証券)をほぼ同額買っているところにあるが、日銀が買っているのは大半が日本国債である為、マネタリーベース拡大は日銀の当座預金に滞留しバランスシート不況から抜け出せずデフレ体質の改善に?がっていない。
実体経済に直接効果のある緩和策を取り込まないと、2019年予定の消費税率の引き上げは日本経済にとって自殺行為になるだろう。
注@バランスシート不況:資産価値が下がり相対的に負債が拡大する不況現象でリチャード・クー氏の理論
2018年3月5日18:00 V
〜米国の鉄鋼・アルミへの輸入制限措置発表の影響について〜
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3月1日に、トランプ大統領が鉄鋼とアルミニュウムの輸入制限措置としてそれぞれに25%、10%の輸入関税を課す方針を表明した。
通商拡大法232条(国防条項)の制裁措置である。この法律は1962年に制定されたものであるが、これまで、米国が実施した232条調査は26件あるが、安全保障の脅威と認定されたのは8件ありすべて石油関連である。そして、実際に発動されたのは1980年リビアとイランからの原油に対しだけであり、制定されて50年の間に発動されたのはこの一度だけである。
この232条の発動は安全保障の脅威がある場合であり、今回の鉄鋼とアルミについては安全保障の脅威とは認定できないと思われ、実際の発動がない可能性が高いと考える。
トランプ大統領の発表後に中国、欧州、韓国、カナダ、日本の各国とも強く反発しており、発動となればWTOへの提訴に踏み切ると思われる。
一方、米国鉄鋼協会はトランプ大統領に感謝の意を表明している。
今秋に米国の中間選挙を控えトランプ大統領は鉄鋼業の栄えた中西部の支持者に国内産業を守る姿勢をアピールする狙いがあるのではと一部の報道機関が指摘している。
株式市場ではNYダウ、日経平均株価はこの発表の後、本日を含め3%前後下落しているが、ここからさらに大きく下げる可能性は低いと考える。
2018年2月9日21:00 U
〜米国株の値幅調整はほぼ完了か〜
今後は日柄調整期間
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欧州株の全面安の影響で米国株に再度強い売り圧力がかかり、2月8日のNYダウ、ナスダック、S&P500とも大幅下落。
NYダウは前日比1032ドル安の23860ドル46セントと4.15%安。しかし、ザラ場安値は23849ドル23セントと2月6日のザラ場安値の23778ドル74セントを下回っていないことと1月26日の26616ドル71セントの高値から約10%下落していること等から今回の米NYダウの値幅調整はほぼ完了したのではないかと考える。
今後は日柄調整期間に入り上下波動の動きを繰り返すと思われるので日本株についても吹値売り押し目買いの投資スタンスが良いと考える。
2018年2月4日14:00
〜米国株の大幅下落はスピード調整〜
上昇トレンドに変化はない
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NYダウの2月2日の下げ幅665ドルはリーマンショック直後の2008年12月1日以来で9年2カ月振りではあるが、2008年12月時点でのNYダウの8000ドル台での下げ率は7%超であり、今回は同じ下げ幅でも下げ率は2.54%であり比較に値しない。
一昨年の英国のEU離脱時の2016年は6月24日に610ドルの下げ幅で3.39%下落しており、上昇トレンドの中でも常にスピード調整はつきものであり、今回の下落も上昇トレンドを変える下げではないと捉えている。
今回のNYダウの下落は雇用統計の雇用者増数と時給の数字が市場予想を超えたことによる長期金利の上昇に加え、トランプ大統領によるロシア疑惑のFRB非難の文書が公開されたことがきっかけになったようであるが、相場の基調を変えるほどの材料ではないと考える。
しかし、1日の下げ幅としては比較的大きいでテクニカル的に見て1日2日で底を打つのは難しいもののあまり日柄を要しない調整で24000ドル台では底打ちするのではないか。
基本的に米国株の上昇トレンドが続くと考える理由は、長期的に強い米国経済が続くことにあるからである。その根拠として下記の3点があげられる。
@FRBのQEによる大規模な金融緩和の維持
FRBは2008年11月より2014年10月まで住宅ローン担保証券を中心に米国債も買い続け総額が4兆5千億ドル(約541兆円)となり、QE終了後も総額は維持されており、金利の小幅上昇政策をとってはいるが、現在も金融緩和状態にある。
Aシエールガス革命
2000年後半から急速に拡大したシエールガス・オイルは米国のエネルギー構造を大きく変化させ米国のエネルギー自給率を高めており、2005年に70%を下回っていた自給率が現在80%台まで上昇している。2030年後半には米国は石油の純輸出国になると予測されている。このシエールガス革命による米国経済への効果は大きい。
B大幅減税
トランプ大統領による10年で1.5兆ドル(約165兆円)と史上最大の大型減税により米国経済に長期的な経済効果が期待できる。
以上の要因によって、現時点での米国経済の成長率や物価上昇から見て景気過熱とは程遠い状況にあることから今後も長期にわたって成長が見込まれ、米国株の上昇相場は続くと考える。
新年あけましておめでとございます。
今年も強気相場が続くものと思われます。
昨年は主に日銀のETF買いと自社株買いにより株価が上昇したが、日経225型ETF及びTOPIX型ETFも自社株買いも主に大型の成熟企業であったことから、中小型の成長企業は相対的に出遅れた。
しかし、2018年は昨年とは異なり中小型成長株優位の相場になる可能性が高く、宮原経済研究センターとしては成長株の調査・分析・ヒアリングの徹底とテクニカル分析の精度を一層高め、厳選銘柄の高いパフォーマンスを追求し、より高い価値ある情報を提供していきますので本年も宜しくお願い致します。
宮原経済研究センター 代表 宮原 卓 2018年元旦
2018年1月1日21:00 株価見通し
2018年の株式市場の基調は強気相場
〜日銀と自社株買いの成熟株偏重の是正により成長株優位の相場〜
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2017年の買いの主力は日銀が5兆円強、自社株買いが5兆円、外人が2兆円であった。
日銀はETF(225型とTOPIX型)を年間約6兆円ベースで買い続けており、累計は17兆円になった。日銀のETF買いも自社株買いも対象は主に成熟株であったことから成長株は相対的に出遅れた。従って、今後も日銀のETF買いは継続するものの総額が20兆円に迫っているので減額の可能性が考えられ、2018年は相対的に出遅れた中小型成長株優位の相場になると思われる。
2017年11月15日 20:00
〜日経平均株価と全体的な動きにギャップが目立つ変則的相場の短期調整〜
日経平均株価は21000円割れまで調整か
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日経平均株価は9月27日の20213円から11月8日までほとんど押し目を入れることなくほぼ一本調子で23382円まで上昇した。全体的には値下がり銘柄も多くある中、日経平均株価だけがが押し目なく上昇したのには次の原因が考えられる。
@日経平均株価先物に踏み上げと思われる様な買いが継続的に入り続けた。A日経225銘柄ETFとTOPX型ETFを日銀が年間6兆円買い続けたことで225銘柄の需給が逼迫していた。
10月17日から11月8日まで日経平均株価が高値を付けるまでの間は騰落レシオが低下しており、日経平均株価が上昇する中、市場全体は値下がり銘柄多いことを示している。(下記チャートを参照)
日経平均株価は20500円〜21000円まで調整するのではないか。その間、全体的にも調整色は広がる。しかし、今回の調整はあくまでテクニカル調整であり、ファンダメンタルズの悪化を先取りするものではない。つまり、日経225銘柄の歪な株価形成の修正であり、調整後は225銘柄以外の好業績株の戻りが大きいと考える。
年2017年11月4日17:00 経済セミナー
的外れの日銀の金融緩和政策出口論 |
1%以下(0.4%〜0.7%台)の物価上昇率と1%台の経済成長率の状態で金融緩和政策の出口論を問うのは如何にも的外れと言わざるを得ない。
いわゆる現状のデフレ体質、低成長状態では金融緩和政策の出口論はあり得ない。
2013年4月から始めた日銀の金融緩和政策QQEは4年半が経過したが、当初の2年で消費者物価上昇率2%達成の目標とは程遠い状態である。
米国のFRBによる金融緩和政策のQE1、QE2,QE3は2008年から2014年の6年間実施し終了した。その結果、米国のインフレ率は2%前後で、経済成長率は2%台と正常な経済成長状態になった。
日銀の金融緩和政策は4年半に3百数十兆円の増加額になりFRBの6年間のQE1,QE2.QE3と同規模にまでなっている。
しかし、FRBと日銀の金融緩和政策は同じような政策を打っているように見えるが、大きく異なる部分がある。それは、FRBは多くは住宅ローン担保証券(MBS)を買取しており、日銀は国債のみ買取している点である。
住宅ローンは主として個人の借金であるのに対し、国債は政府の借金である。つまり、日銀は政府の債務を買い取っているだけであるので、マネーストックの拡大につながりにくい。FRBのようにMBSの買い付けは民間に資金が流れることになり、マネーストックの拡大につながり、経済への直接的な浮揚効果がある。
この様に日銀は非効率的な金融緩和政策を打っているため、期間や規模が大きくならざるを得ない。FRBが6年間の期間をかけたことからも、日銀も少なくともQQEを2019年まで現状の政策を継続せざるを得ないだろう。出口論は2020年以降の話である。
2017年9月5日21:00 緊急株価見通し
北朝鮮の脅威を過大視するリスク
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9月5日の下落は完全に北朝鮮リスクを織り込みに行く下げである。東証一部市場では値下がり銘柄は1786と値上がり銘柄181の10倍になる。新興市場のジャスダックやマザーズの新興市場も4%前後の大幅な下落をしている。
北朝鮮のICBM搭載用の水爆実験は米国にかなり脅威を与えたようだ。米国はより重い追加制裁を打ち出すと思われ、事態はかなり難しい状況なっている。
しかし、直接的な軍事衝突については可能性はゼロではないが極めて低いと考えられる。
そこで、北朝鮮の国力について考えたい。以下は北朝鮮、韓国、日本の国力の比較である。
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人口 |
GDP |
国防予算 |
北朝鮮 |
2200万人 |
228億ドル |
45〜50億ドル |
韓国 |
4612万人 |
4067億ドル |
140億ドル |
日本 |
1億2700万人 |
4兆1670億ドル |
421億ドル |
北朝鮮は、GDPは韓国の20分の一、日本のほぼ200分の一で茨城県と同規模、国防予算は韓国の3分の一、日本の10分の一であり、この国力で米国と世界を相手に軍事衝突の事態を招くような行動をするとは思えない。
軍事衝突がないとするならば、現在の水準は底値ゾーンと思われる。
2017年8月12日12:00 緊急株価見通し
米朝間の緊張が一気に拡大し、底値を模索する株式市場
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北朝鮮がグアム周辺へ弾道ミサイルを発射する計画を公表したことにより米朝間の緊張が一気に拡大し、株式市場は大幅に下落、底値を模索する相場展開になっている。
しかし、直接の軍事衝突の可能性が低いことからも、この間に底値を付ける可能性が高いと考える。
まず、日本株の代表指標の日経平均株価は8月11日のCME日経平均株価は19390円(8月10日の日経平均株価比340円安)はPERが13.72倍と下限と言われる14倍を下回り,2014年4月11日の日経平均株価13910円の時のPER13.59倍に近く、この水準を大きく下回る可能性は極めて低いと思われる。
ただ、短期的なテクニカル指標の騰落レシオ(25日)について言えば8月10日に日経平均株価は105%、ジャスダックは97.76%、東証2部は103.7%、マザーズは75.7%と全体的には80%以上でまだ調整不足感はある。
しかし、直近まで、NYダウ、米ナスダック、米S&P500が史上最高値を更新している他、イギリス、ドイツ、台湾、韓国、インド、インドネシア、アルゼンチン等も史上最高値を更新しており、世界の株式市場は総じて強く、日本株の出遅れが目立っていると言える。
2017年5月23日21:00 株価見通し
今後、じり高基調の相場展開により日経平均株価22000円台乗せも期待できる
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現在の株式相場は政治的不安要因と経済的強気要因で形成されており、政治的不安要因は中長期的問題で短期的解決は難しい。従って、経済的強気要因が相場を押し上げる形になるが市場は政治的不安要因を警戒しているため、小幅に上値を追う相場展開になると思われる。
政治的不安要因とは北朝鮮情勢とトランプ大統領のロシア・ゲートと言われている弾劾裁判懸念であるが、ともに短期に決着がつくものではない。一方、経済的強気要因は堅調な米国経済と順調な日本企業の業績である。日経平均株価の現在のEPSは1398円85銭であり、PERは14.07倍と通常ほぼ下限と言われる水準である。PER16倍だと22382円になる。
したがって、今後は北朝鮮の動向やロシア・ゲートの問題で押し目を入れながら、徐々に上値を目指す相場展開になると思われる。
2017年4月6日21:00 緊急株価見通し
反騰局面が近い
〜テクニカル的には底値を示唆〜 |
本日4月6日は東証一部新安値銘柄が632銘柄、値下がり銘柄が1919となったが、北朝鮮が弾道ミサイル発射を強行し米国と北朝鮮の間で緊張が高まったことを警戒しているようだ。これだけ大量の新安値銘柄と値下がり銘柄は2016年の6月24日に英国が国民投票でEU離脱が確定した時に日経平均株価は1286円安の14952円に下落し、新安値銘柄が716銘柄、値下がり銘柄1954銘柄となった時以来である。
しかし、現在はドル円が110円台をキープし、企業業績も増益が見込まれていることや、米国経済は堅調で利上げ基調であることから株価がこれ以上売られる可能性は低いと考える。
2017年3月8日20:00 経済・株価見通し
先進国に保護主義が広がるか
〜日本の株式市場は年央に短期調整か〜 |
トランプ大統領は明確に保護主義を謳っている。雇用第一主義を唱えて海外生産より国内生産を優先することで雇用の最大化を目指す考えである。さらに、インフラ投資や大幅減税に6兆ドルを投入して経済の活性化を図ることにより、米国経済は2%のインフレと4%の実質成長(6%の名目成長)を目指している。つまり、トランプ大統領の思惑通りの展開になる可能性がある。
一方、欧州は、今年は選挙の年なるが、まず3月15日にオランダの議会選挙があり、イスラム教徒の排斥を掲げる極右政党の「自由党」が与党に迫る勢いである。次に4月はフランス大統領選挙で、マクロン氏の対抗馬で有力候補の「国民戦線」党首のマリーヌ・ルペンは保護主義、移民・難民排斥主義でEU統一通貨は大失敗としてフランスのユーロ離脱の考えを持っている。同時に、トランプ大統領支持を公言している。フランスは10%の失業率であり、米国同様雇用が最大の政策課題と言える。
この様に保護主義が米国から欧州へ広がりを見せている。
現在はグローバル経済の時代であるので、先進国は人件費の安い後進国で生産する形が主流になっており、先進国の雇用が縮小し、失業率が高まる傾向になる。国内物価においても、コストの安い後進国から輸入することによりデフレ化する。つまり、グローバル化で先進国ではデフレと失業が恒常化している。
反対に保護主義はインフレ促進と雇用拡大効果のある政策となる。
日本はグローバル主義であることから、デフレからの脱却が難しいので円安になり難く株価はフランス大統領選挙後の年央に一時調整する可能性がある。(宮原)
2017年2月20日8:00 経済・株価見通し
大企業銘柄への投資は決して安全でもなく運用パフォーマンスもあまり期待出来ない |
人間に寿命があるように、一般的に企業も大企業病にかかることで寿命があると考えた方が良い。
債務超過で経営難に陥った東芝は1904年設立で寿命は100年を超えており、同様に経営難で台湾の会社に買収されたシャープも1935年設立と寿命82年である。
但し、米国には例外企業がある。代表的な例外はぜネラル・エレクトリック(GE)である。設立は1892年で120年以上もの間、時代の変化に事業内容を変えながら高い成長と高収益を維持し続けており、現在の社員数は33万人の超大企業になっている。決して大企業病にかからずベンチャー精神を企業理念とするこの様な企業は稀である。
しかしながら、日本の大企業は新陳代謝ができていない古い企業が多すぎる。
日米の上場会社の時価総額ランキングを見ると米国と比べ新陳代謝のない日本の企業群の多いことがはっきりと分る。
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日本企業時価総額ランキング10 |
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米国企業時価総額ランキング10 |
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宮原経済研究センター作成 |
単位:兆円 |
宮原経済研究センター作成 |
単位:兆円 |
順位 |
企業名 |
時価総額 |
比率 |
|
順位 |
企業名 |
時価総額 |
比率 |
1 |
トヨタ自動車 |
21 |
22% |
1 |
アップル |
80 |
19% |
2 |
三菱UFG |
11 |
11% |
2 |
マイクロソフト |
57 |
13% |
3 |
NTTドコム |
11 |
11% |
3 |
アマゾン・ドット・コム |
46 |
11% |
4 |
日本電信電話 |
10 |
10% |
4 |
エクソン・モービル |
39 |
9% |
5 |
ソフトバンク |
9 |
9% |
5 |
ジョンソン&ジョンソン |
37 |
9% |
6 |
KDDI |
8 |
8% |
6 |
JPモルガン・チェース |
36 |
8% |
7 |
日本たばこ産業 |
8 |
8% |
7 |
フェイスブック |
36 |
8% |
8 |
日本郵政 |
7 |
7% |
8 |
ウェルズ・ファーゴ |
33 |
8% |
9 |
本田 |
7 |
7% |
9 |
グーグル |
32 |
8% |
10 |
三井住友 |
6 |
7% |
10 |
ゼネラル・エレクトリック(GE) |
30 |
7% |
合計 |
設立新しい会社を赤色表示 |
96 |
100% |
合計 |
設立新しい会社を赤色表示 |
426 |
100% |
日本企業のベスト10社の中で設立の新しい会社といえば時価総額5位の1981年設立のソフトバンクぐらいで10社全体時価総額の9%に過ぎない。
一方、上記の表を見ても分かるように、米国は設立の新しい会社は時価総額ベスト10社の内、ベスト3社含め合計5社で時価総額は10社全体の60%を占めている。1位アップルは1977年設立、2位のマイクロソフトは1975年、3位のアマゾン・ドット・コムは1994年、7位のフェイスブックは2004年、9位のグーグルは1998年と各社ともかなり設立が新しい。米国企業は時代とともに躍動的に変化しているといえる。それに比べて、日本企業は硬直的で旧態依然としている。
このような寿命のきた日本の大企業はいずれシャープや東芝に続いて行き詰る企業が出てくる可能性が高い。大企業株を中心に運用を行うとファンドの中にシャープや東芝などの株が入っているとパフォーマンスがガタガタになるが、たとえこういう銘柄が入っていなくても、日本経済はデフレに苦しみ低成長から脱却できないことから、日経平均株価やTOPIXもGDPの成長率と連動性が高いことを考えると年間10%のパフォーマンスは難しい。
宮原経済研究センターは、将来、アマゾン・ドット・コムやグーグルの様な企業になる素質があるかどうかという観点で日本の中小型株を中心に銘柄分析をしている。 (宮原)
2017年1月26日8:00 経済・株価見通し
NYダウ23000ドル越えの可能性
〜米国法人税減税の効果〜 |
トランプ大統領は選挙勝利直後に法人税を現在の35%から15%に引き下げると表明している。一方、議会共和党は20%の考えであり、GSサックスは25%と予想している様だ。
その後、1月23日にトランプ大統領は大手企業の経営者との会合で「法人税減税と規制緩和で経済成長を目指し連邦法人税を15〜20%のどこかの水準まで引き下げることに尽力する」と発言している。(日経新聞報道)
法人税減税は下記のように企業の税引き後の利益をアップすることにより株価上昇が予想される。
NYダウの起点を大統領選挙直後の18500ドルとする。
米国法人税減税案
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税率
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EPS(1株益)アップ率
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起点
NYダウ18500ドル
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大統領案
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15%
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30%
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24000ドル
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共和党案
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20%
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23%
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22750ドル
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Gサックス予想
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25%
|
15%
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21300ドル
|
直近のトランプ大統領が15%〜20%の減税を約束しているので、EPSの上昇率が株価に同率反映すると仮定すると上記のようにNYダウは22750ドルから24000ドルとなり、平均値は23000ドル超になる。
従って、法人税の減税が予定通り実行されたら、NYダウは年内に23000ドルを超える可能性があると言える。
新年あけましておめでとうございます。
2017年は経済状況と株式相場に期待が持てる年になると考えています。
宮原経済研究センターとしてはより的確な見通しを提供していきたいと思います。
本年も宜しくお願いいたします。
2017年元旦 宮原経済研究センター代表 宮原 卓
2016年12月24日10:00 経済・株価見通し
2017年は大きな相場が期待できる
〜常識の殻を破るトランプの経済政策の効果〜 |
FRBは昨年に続き今年も年末に利上げを実施し、来年は3回利上げする見込みである。米国経済は雇用もインフレ率や経済成長も良好である。そういう状況において、トランプ氏は減税5兆ドル、インフラ投資1兆ドルを打ち出した。合計6兆ドルは米国GDP18兆ドルの3分の1に相当する。通常、常識的な経済理論で言えば、不況期に打つ政策である。しかし、現在、グローバル化で経済的には資本主義国と共産主義国、あるいは新興国と先進国との壁がなくなり、先進資本主義国が長期的なデフレ圧力に苦しんでいる。これを打破するには経済理論の常識を超えた政策を打ち出す必要があり、まさにトランプの経済政策は当を得ていると言える。しかし、日本の投資家はどうせアベノミクスみたいに結局は効果が見込めないと考えているのではないか。アベノミクスの柱は日銀の大幅な金融緩和政策であり、マネタリーベース年間80兆円増はGDP比16%で仮に10年ベースだと150%に相当し、あたかもトランプの経済政策を超えるような印象を与えるかもしれない。しかし、アベノミクスのマネタリーベース80兆円増の大幅拡大策の金はほとんど銀行の日銀当座預金に眠っており、要するに市場に流れていないので、為替以外はほとんど効果を生んでいない。しかし、トランプの6兆ドルの経済政策はすべて市場に流れ、マネーストック増となり直接的効果あり、アベノミクスと根本的な違いがある。
トランプの経済政策が実行されたら、米国経済の成長は現在の2倍の4%となり、経済環境もインフレ化すると思われる。
又、法人税を35%から15%に引き下げをすれば、日本も追随せざるを得なくなり、日本経済も活性化することになる。
懸念要因としてはトランプの経済政策案が議会で承認されるかどうかだか、大統領も与党も共和党であるので実現性が高いと考えている。(宮原)
2016年11月18日17:00 緊急経済・株価見通し
日経平均株価は20000円を目指す展開か
〜ドル円は112円から115円に向かう可能性〜 |
日経新聞の集計によると2017年3月期下期の主要企業の想定為替レートは101円90銭とのことだが、本日、ドル円は110円台を付けている。
日経平均株価20000円となると現時点の日経平均株価のEPSが1180円61銭であるので、PERが16.94倍となり、2013年の12月の16.63倍を超えて割高感が出るが、ドル円が110円になると当然ながら輸出企業中心に企業収益が上方修正されることによってPERの割高感が修正される。
トランプ次期大統領の公約する経済政策である財政拡大や大幅減税は一時的にしても当然財政の悪化を招くためにドルの供給を増やさざるを得ないが、ドルは世界の基軸通貨であって需要が旺盛であることからドルの需給が悪化することなく、ドル高基調も崩れる心配がないと考える。
2016年11月16日20:00 緊急経済セミナー
実業家トランプ大統領誕生は時代の要請
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アイゼンハワー大統領以来の政治家出身でない大統領が誕生した。アイゼンハワーは軍人出身、一方トランプ氏は実業家出身である。アイゼンハワー大統領は1953年に誕生した訳だが、丁度第二次世界大戦終了後資本主義と共産主義が対立する米ソ冷戦時代の最盛期であり、軍人出身の大統領は最適であったと言える。一方、現在は世界大戦はあり得ない時代であると同時に、資本主義と共産主義の明確な境界もなくなり、世界が資本主義経済として機能するグローバル経済になっている。しかし、資本主義が機能不全になりかけており、再生構築しないと世界経済が長期に低迷する恐れがある。この機能不全を打破し立て直すには主導国の米国経済に本格的なメスを入れる必要がある。それにはやはり従来の政治家出身では難しく、経済に精通した実業家が求められる。トランプ氏はアイゼンハワー同様政治経験はないが、実業家として実体経済に精通しており、米国経済を本格的に復活させるリーダーとして最適な大統領ではないか。
トランプ氏は大統領選挙で勝利した後に、所得税率・法人税率の大幅引き下げや相続税の廃止、キャピタルゲイン税の引き下げと経済成長率を2倍にすること、更に、大統領の給与40万ドル(約4300万円)を全額受け取らないと公約している。経済界から多額の献金を受けているクリントン氏と比べ、選挙費用も自費で戦ったトランプ氏は偉大な大統領の資質があるのではないか。米国経済の再生、資本主義経済の復活を託せる貴重な人物かも知れない。(宮原)
11月17日、安倍首相はニューヨークにあるトランプタワーのトランプ氏の自宅で会談した。その時、本間ゴルフの最高級品である50万円のゴールドのドライバーをプレゼントした。トランプ氏はその場でトライバーを取り出し、素振りをしてこれは飛びそうだと感想を述べたようだ。
1957年6月19日、安倍首相の祖父である岸信介首相は米国にアイゼンハワー大統領を訪問した際、会談後にゴルフ外交をして信頼関係築いている。安倍首相もトランプ次期大統領とのゴルフ外交のチャンスを窺がっているようだ。安倍首相も80台で回れる腕前だが、トランプ氏のベストスコアーは66とのことであり、政治経験は豊富な安倍首相もゴルフでは太刀打ち出来そうにない。
2016年11月12日21:00 緊急経済・株価見通し
トランプ次期米大統領の掲げる経済政策は世界経済の再生に繋がる可能性
米国と世界の株高を期待
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次期米大統領に確定した後、トランプ氏は米国経済の成長率を2倍にし、法人税と所得税を大幅に引き下げることを約束した。法人税を35%から15%に引き下げ、インフラ投資を拡大し、経済成長率を現在の2%から4%にし、インフレを促進するということである。
先進資本主義国が低迷する経済状態を打破し適正な成長に復活するにはやはり米国経済の力強い経済成長がないと難しい。大幅減税とインフラ投資拡大という思い切った米国の政策は一時的な財政悪化はあるが景気浮揚には非常に効果があると思われる。
日本の経済政策も米国の経済政策の大幅チェンジに対応せざるを得ない。今後、小池東京都知事も発言しているように日本の法人税も引き下げをしないと例えばソニーのようなグローバル企業が本社を日本から法人税が半分以下の米国に移してくることが懸念される。他の先進諸国も米国の経済政策に対応した政策を打ち出してくると思われ、世界経済の回復に繋がると考えられる。
経済に精通した実業家が米国の大統領になるのは米国と世界経済の再生の為の必然の結果だったかもしれない。
選挙中は保護主義的な発言が印象に残ったトランプ氏だが、現在の完全なグローバル経済下での経済再生は保護主義的な経済政策では不可能であるので、この点の発言は当然ながら修正してくるものと思われる。
2016年7月28日12:00 相場見通し
昨年来高値に迫るドルベースの日経平均株価
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現在の日経平均株価は16500円前後で揉み合っており、昨年の高値である6月24日の20868円より20%低い水準にある。しかし、ドルベースだと昨年高値169ドルに対し現在165ドルで、あと2%程度で到達する位置にある。
昨年12月の高値20012円の時のドル換算163ドルは既に更新している。ドルベースの意味することはドルは世界の基軸通貨であり全ての経済活動はドルを基準としている。従って、海外の投資家にとって日本株は決して出遅れ株ではなく、パフォーマンスは悪くないと言える。
NYダウと比較した場合も、日経平均株価は円ベースだと大きく出遅れてはいる(図表@)がドルベースだと最近の2年間はかなり連動している。(図表A)
先週末、米国FRB議長が講演で早期の利上げを示唆したことからドル円の90円台よりも100円以上の円安の可能性が高くなりそうなことから日経平均株価の17000円乗せでのドル換算の昨年来高値更新が期待できる。只、日本の株式市場は中央銀行が最大の買い方となり先進資本主義国としては異例の展開になっているので相場が読み難くなり機関投資家はよりパッシブ運用にウェイトをかける傾向になる。
2016年7月23日21:00 経済セミナー
日銀はヘリコプターマネーを検討すべき
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ヘリコプターマネーは財政法で禁止されてはいるが、財政法の改正なしでも国会決議で可能である。
しかし、黒田日銀総裁がそこまで踏み切るべきと考えているかどうかが問題であり、安倍・黒田ラインの高度の政治経済的判断が必要である。
2013年3月に黒田日銀総裁が誕生し、4月に2年でマネタリーベースを2倍にして2%物価上昇させると宣言したが、3年以上経過した現在、物価上昇率は2%どころかマイナス状態でデフレから抜け出せていない。
従って、ヘリコプターマネーを具体的に検討すべき時期に来ていると考えるべきである。形態としては政府が永久国債を発行し、日銀が直接引き受ける方法である。20〜30兆円でも実施すれば、直後にドル円は10円近く円安に振れ、日経平均株価も3000円近く上昇するだろう。そして何よりもヘリコプターマネーへの道を開くことでデフレからの脱却の道が確実なものになる。
2016年7月12日21:00 緊急相場見通し
ブレグジットショックからの各国の株価推移
〜欧米の株価の戻りと比較し出遅れ顕著な日本株〜
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ブレグジットショック安の英国や米国の株式市場は顕著な回復をしている。当事国の英国は直前株価の5%以上高い水準まで戻している。米国ではNYダウやナスダックが年初来高値を更新し、S&P500は史上最高値を更新している。一方、日本の株式市場は大きく出遅れており、日経平均株価はまだブレグジット直前の株価に到達していない。英国並みの戻りとなれば日経平均株価は17000円台に乗せる計算になるが、政府の経済対策や日銀の追加の金融緩和策次第で達成可能と考えられる。
2016年6月24日20:00 緊急相場見通し
日経平均株価は15000円割れ、ドル円100円割れ
〜予想外の英国EU離脱ショックだが、週明けには徐々に落ち着く〜
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英国のEU離脱か残留かを問う国民投票が予想外に離脱となり、直近まで残留優勢の世論調査を株価や為替が織り込んでいた為、株価や為替がショックを受ける形となった。
日経平均株価は14864.01円と2月12日に付けた14865.77円と顔合わせとなる安値を付けたが、この水準を大きく下回る可能性は低く、又、ドル円は95〜100円の円高ゾーンを大きく超える可能性も低いと考える。
従って、今晩の欧米株は大きく下落するが、来週の日本株市場は徐々に落ち着くものと思われる。
しかし、直接に影響を受ける英国に拠点のある企業や金融機関は事業収益の見通しが難しくなることから、物色対象は内需関連企業に絞らざるを得ない。
2016年4月23日 11:00 緊急相場見通し
日経平均株価は18000円台後半までリバウンドか
〜金融政策は量的拡大から金利操作に〜
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4月22日の急激な円安は28日の日銀の金融政策決定会合において日銀の金融機関への貸付にマイナス金利を適用するのではとの海外通信社の報道に反応したためであり、海外では111円台後半まで進んでいる。
この勢いだと今後は113円台まで進みそうな流れであり、日経平均株価も19000円に接近する可能性がある。
日銀の金融政策はマネタリーベースの年間80兆円拡大ペースを更に増額することは考えにくく、日銀の当座預金のマイナス幅の拡大しかない。
次のステップは小刻みにすることなく一気にマイナス0.5%にすべきであり、日銀も最終的にはマイナス1%の水準まで想定していると思われる。
2016年1月2日 8:00 新春 相場中期見通し
2016年前半は円高、株安の展開か
〜ドル円高値110円〜115円、日経平均株価安値16000円〜
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2016年は前半安の相場展開になると考えている。
主たる要因は円高、原油安、異次元緩和効果の限界等である。
まず、ドル円為替については、現在の実質実効為替レートが1985年のプラザ合意当時(ドル円名目レート240円前後)を超える円安水準までなっている為、今後円高に修正する可能性が高い。その結果、輸出関連企業の下方修正と為替連動する日経平均株価の下落が予想される。
第二点として、原油安が続く公算が高いことである。
OPECは総会で現状の日量3000万バーベルの生産維持を決定し、米国やロシアも各々日量1000万バーベルの生産を維持している。加えて、米国北東部の暖冬で暖房油の需要が伸び悩む見込みである等、更なる需給関係の悪化により原油価格の下落基調は続くと思われる。WTI原油が1バーベル=30ドルを下回る状況になると新興国や資源国家のデフレ化が一層進行し、資源大手企業の破綻の恐れもあり、世界的な不況色懸念が日本の株式市場の下振れ要因になる。
第3点は日銀の異次元緩和政策は為替と株価には効果があったものの、肝心の消費者物価や経済成長にはほとんど効果がないことが解ってきたこと。
アベノミクスの柱である日銀の異次元緩和政策だが、当初は消費者物価の上昇やGDPの成長を高める効果があるとして推し進めてきたが、2年半たった現在、消費者物価上昇率やGDP成長率はほぼゼロに近い状態で当初の目標とは全くかけ離れている。
日銀の当座預金残高は2012年3月は34兆円であったが、2015年11月は246兆円と200兆円以上増加している。これは異次元緩和で拡大したマネタリーベースとほぼ同額である。つまり、増加したマネタリーベースは銀行に滞留したままで、全く市場に流れていない。
従って、今後追加策を打つ場合は従来型のマネタリーベース増加の拡大策はやらないはずである。しかし、黒田総裁は何でもやると公言しているので、2018年3月任期満了までに従来型でない新たな手を打つと思われる。
宮原経済研究センターとしては、それはマイナス金利の導入しかないと考えている。現在、日銀の当座預金に0.1%の金利がついているので銀行は何もすることなく2000億円以上の利益を得ている。この当座預金に対する金利を0.2%引き下げマイナス0.1%にすることにより銀行にとっては逆に2000億円の損失に変わる為、積極的な融資活動をするなどして当座預金残高を減らす努力をすることで市場に金が回り、これまで拡大したマネタリーベースが物価上昇やGDPの成長に効果を表すものと思われる。
この策は株価へのインパクトも大きく、日経平均株価で2000円から3000円底上げすると考えている。
新年あけましておめでとうございます。
2016年の経済環境は内外とも不安定要因を多く抱えていることで株式市場も波乱含みの展開が予想されます。
宮原経済研究センターとしては本質を的確にとらえた情報提供に拘っていきたいと考えております。
本年もよろしくお願いいたします。
宮原経済研究センター 代表 宮原 卓
2016年元旦
2015年12月10日 8:00 相場中期見通し
2016年前半の株式市場は多くの下振れリスクを内包する
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今年12月は右肩上がりの上昇相場がほとんど期待できない。従って、2015年の日経平均株価の高値は6月24日の20952円71銭で確定したと言える。
そして来年、2016年の株式市場も前半は下振れリスクの高い厳しい展開が予想される。そのリスクの主なる要因として、3点挙げられる。
先ず第一点として、米国の金融政策の変更リスクである。
12月16日に利上げの公算が極めて高いということだが、そもそも現時点の米国の物価上昇率は1%台前半と目標の2%に全く届いていない。つまり、米国経済にインフレリスクは殆んどなく、むしろデフレリスクの可能性方が高いと思われる。にもかかわらず雇用者数の推移を見て利上げせざるを得ないというFRBのスタンスに理解しがたい点がある。しかし、第一回の利上げに関して言えば、織り込み済みとしてマイナスに働かずにむしろドル高円安になることで一時的に株式市場にプラスに働く可能性もある。先延ばしの場合、その理由が世界経済の減退ということであればマイナス材料となる恐れがある。いずれにしても、FRBの金融緩和政策の変更は中期的にはリスクの拡大となる。
第二点としては、中国の肥大化したバブルの崩壊により、経済成長の鈍化は避けられないというリスクである。
中国としては膨大な不良債権処理を時間をかけソフトランディングさせるスタンスであるので、成長鈍化は5年程続くと思われる。
世界経済の拡大に大きく寄与した高度成長の中国経済の減速は世界経済の下振れリスク要因となる。
第三点として、原油の大幅下落リスクである。
WTIは36ドル台まで下り2008年当時の4分の一まで下落したが、30ドルを下回る可能性がある。日本は原油のほとんどを輸入に依存しているので、内需経済にはメリットは多いが、産油国や新興国の財政悪化による世界経済のデフレ化は輸出大国としての日本にはリスクの拡大要因である。
2015年9月24日 8:00 相場中期見通し
調整局面に入る世界の株式市場
〜FRBが世界経済の減退懸念を表明〜
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9月17日にFRBのイエレン議長は9月の利上げを見送る決定をしたのは世界経済の減退懸念が出てきた為であると説明した。
世界経済の減退懸念は中国経済の減速が最大の要因であるが、中国が長年の高度成長の過程でバブルの発生による経済の歪が生まれ、バブル崩壊による景気後退の恐れが出てきた。
中国は20年間で名目GDPは18倍になり、日本の2倍以上、米国の60%の規模まで拡大した。(下記グラフ参照)そして、その間に不動産バブル、株式バブルが生まれ、又、シャドー・バンキングが400兆円規模まで膨れ上がり、40%が不良債権化したと言われているが、こういう経済の歪を解消していかないと次の成長路線に戻ることが難しい。しかし、中国は7%以上の高い潜在成長率の国であるので、2〜3年の調整で正常な経済状態に戻ることが可能と思われる。
中国経済は今後、2年ぐらいの間は成長が大きく落ち込み、株価は上海総合指数で高値の3分の一の2000ポイントぐらいまで調整すると思われる。そして、中国経済後退の影響で新興国やドイツ、日本はかなり負の影響を受けることになる。
中国経済の調整期間は3〜4年、株価は2年程度と思われる。日本株は1〜2年以内の調整で、日経平均株価は12000円程度の水準まで下げると考えている。
日銀の異次元緩和QQEによるマネタリーベースの増加額は今年末で210兆円までになる。さらに、現政策の延長で2016年末には290兆円までなり、米国のQE総額の327兆円に迫る規模となることを考えると、日銀の追加策は難しいと思われる。その結果、デフレ脱却の最大の目標である消費者物価上昇2%は達成出来ず
、4〜6月期のGDPのマイナスに続き、7〜9月期もマイナスとなれば、アベノミクスは失敗したと言わざるを得ない。
2014年4月の消費税増税の実施が結局は景気の回復の兆しをつぶした形になり、2014年4〜6月期は年率マイナス7.1%に落ち込み、その後も、確かな景気回復が見えない状態で現在まで続いている。2017年4月に消費税を10%に引き上げるとさらに消費が落ち込み、加えて中国の景気減速も影響し、日本は景気後退に入る危険性がある。
2015年8月24日 18:30 相場見通し
亀裂の入った世界の株式市場
〜不透明な中国発の異常事態発生〜
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中国景気は足踏み状態だが、米国経済は順調であり、日本も景気回復途上にある状況で、世界の株式市場がこれだけ下落することに一般的な投資家は疑問を感じながら静観してしまっているのではないか。しかし、株式は景気の先行指標であることを考えれば世界の実体経済が悪化することを予見している可能性がある。
中国は世界第二位のGDPで、6%以上の高い成長率の経済大国であるが、日欧米の潜在成長率は精々2〜3%であることから、中国経済の減退は世界経済の成長の大きな押し下げ要因になる。減退が短期的に収まる場合の主要国の株式の下値目処は、日経平均株価は17000円、NYダウは13500円、上海総合指数は2700と考えている。
しかし、1年を超える減退となれば更なる下値を試すことになると思われる。その場合の下値目処は、日経平均株価は12000円、NYダウは9000ドル、上海総合指数は2100と考えている。
2015年7月17日 9:30 相場見通し
日経平均株価は9月中旬に22500円
〜MERC株価予測プログラムが算出〜
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宮原経済研究センター(MERC)が開発した株価予測プログラムは日経平均株価が9月中旬に22500円に到達すると算出。いくつかの株価決定要因を合成して作られたプログラムをコンピューターが忠実に実行した結果の数字ではあるが、十分可能性のある予測値と考える。
中国の経済と株式市場、米国金融政策等の世界経済を揺るがす不透明な問題はあるものの、ギリシャ危機が回避されたことにより、日経平均株価を1000円程押し上げる力が働くことにより、PER17.8倍の22500円に行き過ぎの感はない。
2015年7月10日 9:30 相場見通し
日経平均株価は7月9日の19115円でほぼ底値確認
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日経平均株価は6月24日の20952円71銭の高値から7月9日の19115円20銭の安値まで、1837円51銭、率で8.8%の下落となった。約2週間程度と調整期間は短いが、19000円を下値のボーダーラインと考える。
調整完了の根拠として、現在発生している悪材料はほぼ相場に織り込まれた考えられるからである。
まず、@ギリシャ問題についてはどのように進展するのか全くわからない状況ではあるが、経済問題としてのギリシャ危機は、株式市場はすべて消化したと考える。但し、安全保障問題に発展する様な状況になれば新たな問題になる。Aとして、中国株式市場で上海総合指数が1か月で30%を超える暴落は政府保有率が高いとはいえ、200兆円近い金融資産が減少することになり、売買の主体である個人の消費減退につながる恐れが中国経済へのリスク要因になる。しかし、中国政府があらゆる手を打つ姿勢で臨んでいるので、これ以上の下落は避けられる可能性が高く、世界経済へのマイナス連鎖はないと考える。Bドル円が7月9日に120円47銭をつけたが、日本の超金融緩和政策からして、これ以上の円高はないと考える。Cとして、東証一部の騰落レシオが7月9日に82.3%とかなりの調整が完了したことを示している。
2015年6月12日 9:30 相場見通し
〜実質実効為替レートの円安過ぎ発言〜
黒田総裁発言への誤解
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現時点の実質実効為替レートは72、ドル円為替は123円50銭である。黒田総裁は実質実効為替レートの72が円安過ぎとの発言をしており、決してドル円為替の125円が円安過ぎとは言っているわけではない。それではなぜ、72が円安過ぎかと言えば、1985年9月のプラザ合意の時の実質実効為替レートは100、ドル円為替は250円であったが、現在はプラザ合意時点の100より低く72と円安になっているので、これ以上円安にはならないだろうとの意味である(数値が低いほど円安、高いほど円高)。つまり、「現在の実質実効為替レートの72からさらに70を切って60台に入るようなことはないだろう」と言うことである。しかし、インフレ経済になればこの数値が上昇し、円高に修正される。
黒田総裁発言の意味するものは、例えば「ドル円為替が150円になっても、実質実効為替レートが90になれば、行き過ぎた円安が修正されたことになる」と言うことである。
2015年5月19日 9:30 相場見通し
2015年以降の大きな相場の流れ
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年 |
2015年 |
2016年 |
2017年 |
経済 |
デフレ脱却 |
デフレ脱却〜インフレ経済 |
インフレ経済 |
相場 |
金融相場 |
金融相場〜業績相場 |
業績相場 |
作成:宮原経済研究センター
2015年の相場の流れ〜超金融緩和政策によるデフレ脱却時の金融相場〜
デフレ脱却は安倍政権の最大のテーマで真に最重要国策である。従って、金融株は国策のど真中銘柄と言える。金融株とは金融を業としている企業だけではなく、流動性のある優良株も金融商品的価値の高さから金融株と認識。
2016年の相場の流れ〜デフレ脱却からインフレ経済への移行期で、金融相場から業績相場へ発展〜
2016年には1%以上の消費者物価上昇と1%以上の実質GDP成長と2%以上の名目成長率が可能な年になり、金融相場から業績相場に移行する年になる。
2017年の相場の流れ〜インフレ経済となり本格的な業績相場に〜
2%の消費費者物価の上昇と3%の名目GDPの成長が実現し、本格的な業績相場となる。
2015年4月11日 9:30 相場見通し
実体の乏しい日経平均株価20000円大台乗せ
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2015年4月3日ついに日経平均株価が20000円大台を付けた。2012年6月の8295円からリーマンショック直前の高値18261円を超えて約2年で2.4倍となり、15年振りの高値に到達、まさに大相場である。しかし、その実感がない。日経平均株価は日本株の代表的指標として定着し、225銘柄で構成された指数で上場企業4543社(東証一部2970社、東証二部239社、ジャスダック833社、マザーズ199社)の5%未満の社数の株価を表したものなので、市場全体とのズレはある程度は起こるのは致し方ないが、今回程の乖離は珍しい。その原因は公的資金と日経平均先物のウェイトが高まり過ぎたことにあると思われる。下記の日経平均株価とTOPX,マザーズとの変化率の比較チャートを見るとその乖離度合が解る。
日経平均株価はリーマンショック直前の2007年7月の高値18261円のほぼ110%の水準に到達しているのに対し、東証一部の時価総額ベースのTOPIXは88%の水準であることから、現在の実感出来る日経平均株価は16000円程度(18261円×0.88=16069円)と考えることが出来る。中小型株に至っては、マザーズとの比較チャートを見れば更に乖離の大きいことが解る。
しかし、この実体の乏しい日経平均株価20000円の実質効果は政治的にはアベノミクスが成功したと印象付けることによる安倍政権の安定化であり、経済的には景気回復感による個人消費と企業活動への刺激効果であると言える。
2015年4月2日 8:30 相場見通し
日経平均株価20000円目前で高値警戒の不安定な動き
4月〜5月の調整局面を示唆か
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現時点において新たな悪材料は特に無いが、4月〜5月に調整局面に入ってもおかしくない様な要因がいくつか出てきている。先ず@として、下記のチャート図から解るように、3月23日に日経平均株価が19754円を付けた時点で東証一部のPERが18.63倍なっており、2014年10月のPER14倍台から、米国など先進諸国との比較においても警戒すべきPERの水準まで高くなった。Aとして、4月後半から3月決算発表の時期で4月は企業の自社株買いが難しく又、公的年金も3月決算の数字を確認してから投資しようとすることで主力の買いが細ると考えられる。Bとして、3月31日の日経平均株価が3月SQ値19225円43銭を割ることで下値不安を感じさせた。Cとして、NYダウが3月2日に18288ドルの史上最高値達成後、3月下旬には17500ドル台と700ドル下がり、調整気味であること。等が挙げられる。日経平均株価の下値目処として、東証一部PER16.5倍の17500円と考えているが、3月決算が期待値を下回るようだとPER15.5倍の16500円まで調整する可能性も・・。
2015年3月21日 17:30 相場見通し
年央にスピード調整後、年後半には日経平均株価23000円前後に到達
〜公的資金の株買いに加えて、積極的な企業の自社株買いで需給が大幅好転〜
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結論から言えば超低金利が続く限り前向きな自社株買いが続くと考える。長期債が0.65%で、短期国債に至ってはマイナス金利になるような超低金利時代で、発行会社にとって株式のコストが相対的にかなり高くなってしまっている。例えば配当利回り2%であったら、発行会社にとっては3%以上のコスト負担になる訳であり、企業側は発行株数を減らして債券発行や銀行借り入れを選択すれば利益が増加し同時にROE(自己資本利益率)も高まることになる。直近で言えば、今までROE経営に全く関心を示さなかった三菱重工業が10%超を目指すと宣言したが、このように日本を代表する様な内部留保が豊富な企業が自社株買いを積極的に実施し、ROEを高める経営方針を打ち出すと思われる。米国では3月9日にGMが2016年末までに50億ドル(約6000億円)の自社株買いを、同日にクアルコムも最大で150億ドル(約1兆8000億円)の自社株買いを発表している。野村證券のデータによると当期純利益に対する自社株買いの比率は米国の45.6%に対し、日本は6.7%と2013年時点ではまだ米国に比べて日本は相当低い。従って今後は、日本の企業は米国以上に積極的に自社株買いを実施する可能性が高い。
2015年2月26日 8:30 相場見通し
ドル換算日経平均株価は2001年以降14年間の壁、160ドルを抜けるか
テクニカル的には警戒ゾーン
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2月24日、日経平均株価は18603円で引け、2007年の18261円の高値を抜けて更に上値を更新するかの様な勢いである。しかし、ドル換算の日経平均株価は昨日2月25日に156.93と今年の高値を付けたが下記のチャート図の様に2001年以降の14年間、2006年154.61、2007年153.59、2014年157.29と何度も155前後は付けながらも160には到達できずに押し戻されている。この様に、海外投資家の採算コストであるドル建て株価の上値抵抗ラインである160の壁を抜けないと当面、日経平均株価は19000円を超える様な一段の上値追いは難しいと思われる。
2015年2月3日 8:30 相場見通し
2015年の株式市場は日米とも前半調整、後半高の展開
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FRBは1月28日のFOMC声明では景気認識について強めの表現をしていたが、1月30日、米商務省は2014年10〜12月の実質成長率を年率で前期比2.6%と市場予想の3.2%を下回り、7〜9月期の5.0%からも大きく減速したと発表している。米議会予算局(CBO)も1月26日に改定した中期財政・経済見通しで2015年の実質成長率を昨年8月時点に予想した3.2%から2.8%に下方修正している。2016年の経済見通しも3.5%から3%に、2017年も3.0%から2.7%にそれぞれ引き下げた。引き下げの理由をCBOは雇用回復が加速する一方、技術革新の遅れ等で米経済の潜在成長率の伸びを押し下げる力が強まったと説明している。この様に米国経済成長率の鈍化によって、FRBが利上げの時期を先送りせざるを得なくなる事が考えられる。その場合、円高ドル安になり、日本株安圧力になる。しかし、日銀観測による日本経済の名目成長率は2015年3.1%、2016年3.8%と2014年0.4%から大きく伸びることで、日本の株式市場は米国株市場に比べて下値抵抗力が強く、年後半には実体経済を反映して大きく反騰すると予想する。
基本的な流れは以上の通りであるが、為替、株価の具体的な数字については宮原経済研究センターの開発した算定方式で算出。今年前半のドル円為替は110円近くまで円高が進行、日経平均株価は16500円前後まで調整すると予測する。しかし、年後半にはドル円為替は125円〜130円まで円安、日経平均株価は22500円を目指すと予測する。さらに、下記のチャートの様に、今後日経平均株価は絶対値比較で数年間はNYダウを上回った状態になると考えている。
2015年1月27日 8:30 相場見通し
2015年はかなりの株高が期待できる
〜日銀は米国並みの経済成長を見込む〜
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1月21日、日銀は金融政策決定会合の結果、日本の名目GNP成長率を2015年は3.1%、2016年は3.8%との見通しを発表した。つまり、米国の2014年は経済が自律的な安定成長軌道に入り、量的金融緩和を終了した年だが、その年とほぼ同じ成長率を日本は2016年には達成できると、日銀は予測する。強力な金融緩和政策の下でドル円80円台から50%安の120円前後の円安とWTI原油100ドルから50ドルの原油安によって日本の国際競争力は高まり、企業収益が拡大、雇用増や賃金増によりGDPの60%を占める個人消費が高まり、その結果、名目GDPが3%以上成長するという流れである。
日本の名目GDPの時系列のチャートは下記の図の通りである。
上の図を見ると、2016年の名目GDPは約523兆円の見通しだが、1997年とほぼ同額であることが解る。その前年の1996年に日経平均株価が22666円の高値を付けていた。2000年のGDPは509兆円で、日経平均株価の高値は20833円であった。従って、2015年の日経平均株価の高値目標を1996年の22666円とし、2000年の20833円を目標の下限とする。しかし、今年は昨年のような指数中心の金融相場だけではなく、好業績銘柄を中小型株も含め個別物色される相場展開になると見ている。そして、中小型株相場については既にその兆候が市場に表れている。つまり、ジャスダックのガーラ(4777)と東証2部のプロスペクト(3528)にかなりの投機資金が流入していることである。2社の時価総額は340億円だが、1日の売買代金が2社で500億円を超えた事があったが、中小型株2銘柄だけで中小型株3市場ジャスダック、マザーズ、東証2部全体の時価総額18兆円を上回る26兆円のトヨタの売買代金を超えるいう異常現象である。こういう資金の次のターゲットは大型株ではなく同じく中小型株に流れる可能性が高く、新たな中小型株相場に発展すると考える。
ブの
2014年1月13日 8:30
第7回WEBミニ
今年は金融相場から徐々に業績相場へ
〜マネーストック拡大期待と原油安メリット〜
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日銀はマネタリーベースをQQE1では年間70兆円増加させ、QQE2では年間80兆円増加させる。今年末には340兆円とGDPの70%の規模になる。昨年一年間で70兆円以上増やしても、GDPは4兆円ほどしか増えていない。GDPは企業の経済活動や個人の消費活動の総計であり、いくら銀行に金を溜めても経済は成長しない。昨年一年間でマネタリーベースは70兆円以上増えているが、マネーストックは34兆円しか増えず44兆円は金融機関に溜まったままである。日銀はマネタリーベースの目標だけではなくマネーストックの増加目標もたて、銀行に対し企業や個人へ前向きな貸付等融資を推し進める必要がある。(下記の図表参照)
マネタリーベースとはわかり易く言えば日銀と銀行が持つ金であり、マネーストックとは銀行を除く企業と個人が持つ金のことである。
一方、昨年実施された3%の消費増税は約7〜8兆円の国民所得を奪った。その結果、2014年のGDPは4〜6月期年率7.3%減、7〜9月期年率1.6%減と消費増税後2四半期連続で大きく落ち込んだ。しかし、幸いなことに原油が半値に下落し、日本は年間20兆円の原油の輸入国であるので、10兆円近いメリットが得られることにより消費増税のマイナス所得の相殺が期待できる。従って、2015年は年間80兆円のマネタリーベースの拡大を背景にマネーストックの増加率アップが見込めることに加え、原油コストの大幅ダウンによる経済効果が働き景気回復が期待できる年になると思われる。
今年の株式相場は金融相場と業績相場の物色対象の広い相場が期待できる。
新年あげましておめでとうございます。
昨年は消費増税の影響でアベノミクス効果が抑えられ好況感は全く感じられなかった。株式市場でも日経平均株価は7%上昇だがマザーズ指数は5%下落しており、全体的には完全な右肩上がりの相場とは言えなかった。しかし、今年はアベノミクスの正念場の年であることから政府と日銀はデフレ脱却に全力投球せざるを得ない。したがって、徐々に景気の好転が期待できる年になり、株式市場も年後半には一段高になると考えている。
宮原経済研究センターとしてはマクロとミクロ分析の向上に努め、さらに質の高い相場見通しと個別銘柄をご案内したい。又、今年から新しいコーナーとして「つぶやきINTHE
MARKET」を設けました。
今年もよろしくお願いします。 宮原経済研究センター 代表 宮原卓
2015年元旦
2014年11月21日 8:30 相場見通し
〜名目GDPから2015年、2016年の日経平均株価高値を予測〜
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宮原経済研究センターの分析によると名目GDPは実質GDPより株価相関度が4.137倍高い。従って、株価との相関チャートを名目GDPを使って作成する。その前にまず2015年、2016年のマクロ経済の変化を予測したい。物価上昇率は日銀のQQE2により、2015年と2016年は2%に到達している可能性が高い。GDPについては消費税再増税延期により2015年は実質GDPは1%、2016年は2%と予測する。従って、名目GDPは2015年3%、2016年4%になる。この数字をベースに作成した相関図は下記の様になる。
上記の相関図から日経平均株価の2015年高値は22000円、2016年高値は27000円と推定できる。
2014年11月10日 8:30 相場見通し
外人投資家パフォーマンス
〜高値を更新していないドル換算日経平均株価〜
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昨年高値である12月末の日経平均株価は16291円で$換算154.62であったが、2014年の現時点での高値である11月4日の日経平均株価は17127円、$換算150.79でありドル換算日経平均株価は昨年の高値を抜けていない(上記チャート参照)。従って、日銀の追加緩和で大幅に短期急騰したにも拘らず、買い方の外人投資家もヘッジファンドの売り方にしてもあまりパフォマンスーは良くないのではないかと思われる。ドル換算が高値を更新するには、現在の$レート115円30銭だと日経平均株価が17830円を超える必要がある。今回の短期急騰相場はほとんどが先物やオプションの買戻しが中心であり、急騰の恩恵を受けていない銘柄が多い。つまり、外人投資家だけではなく日本の投資家にとっても日経平均株価が18000円を超える様な状況にならないと本当の強い相場は感じられないのではないか。
2014年11月4日 8:30
〜日銀の追加緩和策をベースに日経平均株価・為替の予測値算出〜
年内高値18000円台・$円115円前後、2015年高値22000円台・$円130円
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日銀の追加緩和策を受けて、日経平均株価と為替の予測値を宮原経済研究センターが開発したMSEC(株価・為替算定プログラム)により算出した。2014年高値は18300円(高値レンジ18500円〜18000円)・$円は114.70円、2015年は22300円・$円130円となった。物価上昇率については黒田総裁の説明の通り、2015年度中には2%程度に達し、デフレ脱却から適度なインフレ経済に入ると思われる。しかし、景況感については消費税再増税の実施によって下方圧力が働き、景気回復を実感するのは2016年以降になるのではと予測する。
2014年10月20日 8:30
第6回WEBミニ
公的年金運用比率を国内株12%から25%前後へ、国内債60%から40%台へ
〜デフレ経済ポートフォリオからインフレ経済ポートフォリオへの変更〜
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今月下旬にGPIFの運用委員会で決定するようだ。長期国債利回りが0.5%以下、短期国債利回りがマイナスの経済環境下で運用資金の60%を国内債に振り向ける従来の運用基準を見直す。公的年金の前年度の運用益の内、60%の組み入れ比率の国内債による運用益は全体の4%以下であったが、12%の組み入れ比率の国内株式の運用益は全体の30%を超えている。又、前期の運用益が全体の60%を超えている外国株と外国債合計の組み入れ比率も23%から30%程度に変更する。
国内株式12%、国内債60%はデフレ経済でのポートフォリオである。デフレとは物価が下がる経済環境であるので、現金価値が上がる為、相対的に債券のパフォーマンスが高くなる。逆に、インフレ経済は物価が上がり現金価値が下がるので、債券より、株式のパフォーマンスが高くなる。アベノミクスはデフレからの脱却とインフレ経済を目指しており、公的年金の運用基準も当然、インフレ経済に対応した運用基準に見直す必要があった。130兆円の公的年金の今回の国内株比率変更により、10兆円以上の株式の買い余力が生まれることで株価底上げ効果が期待できる。
2014年10月20日 10:30
〜日米株価同時底入れ〜
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日米の9月の経済指標の一部に悪い数値があったことと一時的な円高ドル安を材料に海外のヘッジファンドが日米株価の売り崩しを図った結果、日米ともにほぼ10%近く下落した。しかし、日米の盤石な金融政策に支えられた株式市場をこれ以上売りたたくのは難しいというのが宮原経済研究センターが多角的に分析した結果の結論である。米国のFRBによるQE3は10月にも終了する予定だが、2008年11月のQE1からスタートしたマネタリーベース拡大策でQE3終了までの5年間でマネタリーベースが5.5倍の5兆ドルになった。そして、QE3を終了した後も5兆ドル(500兆円超)の膨大な金融緩和状態を維持する。一方、日本も年間60〜70兆円のマネタリーベースの拡大をほぼ2年間実施したが、まだ未発表ではあるが来年も更に同額の拡大策を実施し、来年末には3年間で2.5倍の340兆円になると予想される。このような日米の膨大な金融緩和状態の下で、日本の円安、株高はまだまだ続くと考えている。
2014年10月15日 8:30
〜日本株は今週底値形成の公算〜
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今回の株式市場の大幅下落は外人投資家主導によるものである。10月第一週(9/29〜10/3)に外人投資家は1兆円超(現物1948億円、先物8685億円)売り越した。米国株の大幅下落に加え、$円為替が110円から107円台へ短期に円高に振れ、日本株は一気に下振れした。しかし、ファンダメンタルズ面から見ると、@米国の経済指標は良好である。そして、A日本経済は多少足踏み状態ではあるが、金融政策で回復が見込まれることから、株価が一本調子で下落し続ける状況ではない。外人投資家も1週間で売り越した1兆円の80%が必ず反対売買される先物によるものであり、底を打てば一気の反発も見込める。結論的に現時点では買い方が有利であると断言したい。
2014年9月22日 8:30
第5回WEBミニ経済講演会
〜デフレ脱却と景気回復策として円安と株高に頼らざるを得ない政府・日銀〜
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8月13日に政府は4〜6月期の実質GDP成長率を発表した。マイナス1.7%、年率換算マイナス6.8%であったが、一次速報値はマイナス7.1%、二次速報値は7.5%であった。東日本大震災の時(2011年1〜3月期)は年率マイナス6.9%、1997年の前回の消費税引き上げ直後は年率マイナス3.5%のであったことを考えると、今回の景気後退は深刻な事態と考えるべきである。しかし、政府は、その後はなだらかな景気回復基調が続いており、不安視する必要がないと説明していた。ところが、9月19日、政府による9月の月例経済報告書で、個人消費の下方修正によって4月以来初めて景気の基調判断を引き下げた。これは今回の消費増税の影響が政府の想定を超えたことを意味する。来年の10月には更なる消費税の引き上げを実施するかどうかを年内に決定する予定だが、麻生財務大臣や谷垣幹事長は実施に積極的であることもあり、財政健全化という建前を優先し実施される可能性が高い。4月の8%の消費税で景気が落ち込み、9月になっても回復の兆しが感じられない状況下に於いて、来年消費税が10%なったら本格的な景気後退に陥る恐れもあり、政府・日銀としては年内に何としても景気回復感を作り出すことが必須条件となった。
宮原経済研究センターの見解としては、年内、$円為替は110円以上の円安、株価は日経平均株価で18000円以上の水準にすることが景気回復への道筋を作る為の必要条件であると考えている。
円安は輸出企業の国際競争力を高め、工場の海外移転という空洞化現象を阻止することで雇用の安定化にも繋がる。且つ、輸入物価の値上りによるデフレ脱却効果がある。
株高は個人消費と企業資産の増加、年金運用資産の向上、更に景気先行指標としての景気回復効果がある。
しかし、いずれにしても現時点での経済環境は良くない。9月17日、日本を代表する世界に誇るソニーが赤字の拡大と人員の追加削減に加えて1958年の上場以来初の無配を発表した。相対的な競争力低下の問題もあるにしてもソニークラスの企業が利益を出せない様な日本の経済環境では個人の所得も上がり難く、GDPの60%を占める個人消費が伸びず景気がなかなか好転しない。個人消費を伸ばすにはまず企業が儲かる経済環境を作ることが必要である。消費税増税ではなく、更なる円安に加え法人税減税の早期実施が必要である。
2014年9月11日 8:30 相場見通し
〜$円106円越えで9月中にも一昨年の日経平均株価の高値16291円を抜く公算〜
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アベノミクスがスタートしてから日経平均株価は2013年12月末に16291円の高値を付け、その後、調整局面入りで4月に13910円の安値を付けた後はリバウンドしていた。しかし、9月9日に為替が2013年12月の105.41円を抜け106円台に入ってきたことにより、いよいよ日経平均株価がアベノミクス以来の高値を更新しそうだ。日銀は同じく9月9日にマイナス金利で短期国債を購入、一方、米国はFRBのQE3が10月には終了の予定であり、日米金利差拡大見込みで一層円安に振れる可能性が高まってきた。また、日銀の消費者物価目標2%に対し、現状は1%台前半で推移しているが、円安はデフレ脱却・インフレ効果があり、日銀及び政府にとっても思惑通りの展開になってきたのではないか。
下記の図はアベノミクスがスタートしてから現在までの日経平均株価と為替の相関チャートであるが、為替と日経平均株価との連動性は高いことが解る。為替が106円を抜けてきたことで、株価の一段高が期待出来る。
2014年7月28日 8:30 相場見通し
〜今年後半の日経平均株価を予測〜
2013年12月高値16291円を抜けて年内18000円台を達成
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宮原経済研究センターの予測計算によると、為替は年末にかけて1$110円、日経平均株価は18000円達成と算出した。
日米とも経済の立て直しを金融政策中心に行っており、経済同様、株価にもその効果が確実に表れたと言える。@米国FRBの金融緩和政策は2008年11月のQE1から始まり、今年10月終了予定のQE3までほぼ6年間続けてきた訳だが、日本は2013年4月の黒田総裁による金融緩和政策はまだ始まったばかりである。つまり、金融緩和政策について、米国は9合目だが、日本はまだ2合目あたりである。従って、米国株価の上昇が今後鈍化することがあっても、日本はまだまだ上値が見込めると考えるべきである。為替についても今年10月にQE3を終了予定の米国とさらに続く日本の金融緩政策とのバランスから、年末にかけて円安ドル高に振れる可能性が高まると言える。A宮原経済研究センターは日経平均225銘柄の今期税引利益は前期比8.4%増益でEPS1100円、PER16.4倍で日経平均株価18000円達成と計算。
2014年5月2日 8:30 相場見通し
〜日経平均株価の当面の動きを予測〜
4月11日の14000円割れを底に5月中旬にかけて15000円台に乗せる展開
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地政学的リスクとしてウクライナ問題はある程度相場に織り込まれており、今後さらに大きく売り込まれる程の事態の悪化はないと考える。ファンダメンタルズにおいてはマクロ面では消費増税によるダウンサイドリスクは想定内に収まっており又、今期の企業業績について全体では増益見込みであることからマクロ、ミクロともマーケットへの影響は若干のプラスと考える。テクニカル的には、まず三市場の信用取引の買残高が1月末の3兆5千億円から4月初めの2兆9千億円台に減少しているもののまだ整理不十分だが、日経平均株価が昨年末の16320円から4か月経過して13885円まで15%の値幅調整をしてリバウンドのタイミングであるので、今後のマーケットのプラス要因と考える。これらを踏まえ日経平均株価について宮原経済研究センターの計算式によると、5月中旬には15000円台に乗せる可能性が高いと予測する。
2014年4月14日 8:30 相場見通し
日銀のマネーストック増加策が不十分
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上記の図はマネタリーベースとマネーストックの伸び率の比較である。マネタリーベースは年率50%以上のペースで増加中であるが、マネーストックは2013年11月をピークにして、特に今年に入ってから大きく失速している。つまり、マネタリーベースの増加がマネーストックに十分に流れていないと言える。日経平均株価は昨年末の16000円台から今年4月に14000円まで大きく下落しているが、マネーストックの伸びが先行する形で失速し、遅れて日経平均株価も同様に下落しているのが下記の図の「マネーストックと株価の相関チャート」から見て取れる。
マネタリーベースは日銀が供給する通貨で、具体的には「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」である。一方、マネーストックは銀行以外の法人や個人が保有する現金と預金であり、民間の経済活動や資産価値に直接的な影響がある。現在、日銀はマネタリーベースを年間60〜70兆円ベースでの増加策をとっているが、マネーストックの増加に繋がる策が不十分と思われる。
2014年3月24日 8:30 相場見通し
調整は終了、徐々に下値を切り上げる展開
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ウクライナ情勢不安、シャドーバンキングの機能不全による中国の経済不安、消費増税による景気下振れ懸念、イエレン発言への不信感等多くの不安要因が解消されていないものの、かなり相場に織り込んだと思われ、そろそろ動きの出るタイミングに来ている。3月20日には日経平均株価の予想PERが14倍を切ってきており、ボトムを付けた可能性が高い。(下記の図を参照)又、消費増税は景気を悪化させることから、日銀の現状の政策の継続だけで乗り切ることが難しく、追加緩和をどこかの時点で打ち出す可能性がある。いずれにしても4月以降、相場の方向性が出てくると思われ、今年後半高の展開に繋がると考えている。
2014年3月17日 8:30 相場見通し
ウクライナ危機等で下落する株式相場の底打ちは近い
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緊迫するウクライナ情勢や中国のシャドー・バンキング問題が不透明として円高と株安が進行している。しかし、今週何らかの動きが出てくると思われるが1$100円、日経平均株価14000円前後を下回ることはないと考えている。欧米とロシアとの話合によるクリミア半島のロシアへの編入をめぐる妥協案が出てくれば日経平均株価は短期的に15000円前後まで戻す展開になると見ている。
2014年2月17日 9:00 相場見通し
〜テクニカルアプローチ〜
2013年8月調整と極似
テクニカル的には2月5日と2月14日にダブル底
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2012年12月26日安倍内閣が誕生し、その後、株式市場はアベノミクス相場が続いている。この間に6回の調整局面があった。調整期間は1回目が12日間(2013/3/21〜4/2)2回目が21日間(5/23〜6/13)3回目が1か月9日間(7/19〜8/28)4回目が11日間(9/27〜10/8)5回目が16日間(10/23〜11/8)そして、6回目である今回の調整期間は1か月15日間(12/30〜2014/2/14)と最も長い。そして、今回の調整が3回目の調整と極めて似た波動である。下の2つの図を見れば解るように、調整期間が1か月強とほぼ同じで、三段下げで一番底を付け、更に立会日数5日後に2番底を付ける等、ほとんど同じような波動を描いてほぼ同じ程調整(今回14%、第3回は12%)した。騰落レシオにおいても、今回の2月14日に80.7%と第3回目の調整時の8月28日の74.0%以来の低い数字である。この様にテクニカル的には2月5日と2月14日にダブル底を付けた可能性が極めて高い。宮原経済研究センターとしては、アベノミクス相場は更に数年間は続くと考えている。そういう観点においても、6回目である今回の調整は完了したと強調したい。
図@日経平均株価の2014年2月調整の波動
図A日経平均株価の2013年8月調整の波動
2014年2月4日 12:00 相場見通し
日経平均株価、ほぼ底値確認か
〜最悪でも14,000円割れで留まる〜
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本日、2月4日午前中の日経平均株価は一時14,100円台を付けたが、ほぼ底値を付けたと認識している。先週下値目処としていた14,800円±300円の範囲を少し下にブレイクした。市場では新興国の経済不安の世界経済への波及懸念、中国のシャドウバンキング崩壊による金融危機への発展懸念、消費税引き上げによる日本経済の失速懸念など、いろいろな不安要因が相場を押し下げている。しかし、いずれの不安要因も懸念の段階で現実化しないと考えている。従って、株価も平常時の調整の範囲で収まると考えるべきである。宮原経済研究センターが日経平均株価(データ:月間の安値)を2つの基準で算出した。まず、マネタリーベースを基準に日経平均株価の安値を算出すると14,500円になり、為替($円101.50円)を基準として算出すると13,600円となった。平均値をとると14050円となる。
従って、最悪14,000円割れがあるかもしれないが、14,000円台が底値と考えている。
2014年1月27日 9:00 相場見通し
今週、日経平均株価の今年の安値をつけるか
〜日経平均株価の下値目処は14800円前後〜
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大きな調整局面に発展しないという考えであり、その前提で日経平均株価の予測をした。株価(データ:月間の引値)との相関性をマネタリーベースとして安値を算定すると14827円になり、ドル円為替を株価相関性とした場合は14570円となった。したがって、今回の調整局面の日経平均平均株価の安値を14800円前後とした。
先週末に、新興市場の経済不安で日経平均株価が300円以上の下落をし、CMEは14930円と更に500円近く下落した。米国の量的金融緩和の縮小により、新興国に流れていた投資資金が逆流するとの懸念が要因のようだ。アルゼンチン通貨ペソが10%以上下落し、トルコ通貨のリラも7%下落するなど、新興国通貨が大きく売り込まれた。更に、中国のシャドウバンキングの今月末の最初の償還が懸念されているようだ。シャドウバンキングの総額は数百兆円の規模にまで拡大しており、米国のサブプライム・ローン問題に匹敵すると言われている。そういった面で、株式市場も一過性の調整では収まらないのではないかとの不安が高まっている様だ。
新興国の経済不安についてはFRBの量的金融緩和の多少の軌道修正によって、解決策が打ち出せると思われるが、シャドウバンキングの解決は非常に難しい。資産運用商品として個人投資家に販売する信託融資と金融機関が仲介する委託融資という2つの資金調達の形態によるものであるが、不動産バブル崩壊により、返済不能になりつつある商品が拡大しているようだ。しかし、米国のサブプライム・ローン問題や、日本の不動産バブル崩壊で金融機関が膨大な不良債権を抱えた問題とは根本的に異なる点がある。つまり、シャドウバンキングにおいては中国の金融機関はあくまで仲介や販売チャネルであり、融資した個人や企業が損失を被るシステムで金融機関に直接的な被害が及ばないので、金融システムの危機に発展する可能性が非常に低いと思われる。従って、当面の日本の株式市場の展開について、大きな亀裂が入るような暴落に至らないと考える。
2014年1月6日 9:00 2014年相場見通し
今年の日経平均株価の高値は20000円〜22500円、前半安後半高の展開
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2014年の株価の高値は日経平均株価で20,000円〜22,500円と算定し、前半安の後半高の展開になると考えている。株価の高値算定は株式と相関性の高い経済指標との比較から算出した。まず、@名目GDPとの相関性から算出すると、20,000円となる。(4,829,859×1.035=4,998,904億円、4,998,904×1.1.136=5,678,755億円、5,678,755億円÷4,631,798億円=1.226、16,291円×1.226=19,973円≒20,000円。)名目GDPと株式時価総額比較チャート-は図@。
図@
次にA相関性の高いマネタリーベースとの比較であるが、実績ベースで2012年4月から2013年12月までにおいて、マネタリーベースは121兆5000億円から200兆3100億円に拡大し、1.65倍になっている。一方、日経平均株価は9,520円から16291円と1.71倍になっている。1年8か月期間の誤差率は3.7%、年率2.2%と小さく、かなりの連動性の高さを示している。日銀の示している2014年末のマネタリーベースは270兆円であることから、日経平均株価との連動チャートを示すと図Aの様になり、日経平均株価は22,500円と算出される。
マネタリーベースと株価相関チャートは次の図Aである。
図A
次はB予想PERによる株価算定で2014年の日経平均株価の高値を予測したい。2012年度(2013年3月期)の実績ベースEPSは610.39円、2013年度(2014年3月期)の会社予想数字のEPSは948.82円、2014年度(2015年3月期)は当研究センターによる推定値1233.47円を採用。予想PER17倍の株価と実際の株価を比較すると、2012年と2013年はほぼ一致している。したがって、2014年の日経平均株価の高値は2014年度のEPSの17倍にかなり近い株価になると予測し、2014年の日経平均株価の高値を21,000円と算出。
図BはPER17倍株価と実際の株価のグラフを示している。
図B
さらに、C株価との連動性の極めて高い$円為替だが、当研究センターとしては今年も円安基調が続き、年内に1$125円を予測している。ドル円から日経平均株価を算出すると125×277.54−13740=20,952≒為替から算出した日経平均株価の高値は21,000円となった。
以上4つのアプローチで算出した日経平均株価の高値は20,000円から22500円の範囲に収まっているので、今年の日経平均株価の高値予想を20,000〜22,500円と結論付けたい。
新年あけましておめでとうございます。
昨年はアベノミクス効果により日経平均株価も大きく水準訂正したが、今年も消費税増税等不安要因があるものの日銀の金融緩和政策や政府の経済支援政策によりマイナス要因を最小限に抑えることにより株価も右肩上がりの展開になると考えています。そして、当研究センターによる株価見通しや分析についての精度をさらに上げていきたいと思います。
引き続き宮原経済研究センターをよろしくお願いいたします。
2014年元旦
宮原経済研究センター代表 宮原 卓
2013年12月3日18:00 相場見通し
12月、前半高か〜日経平均株価16000円台乗せの展開
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テクニカルな観点から、まず強気判断の要因をいくつか挙げてみたい。@株価と連動性の高いドル円相場についてだが、本日103円30銭を付け、5月10日の103.57円をまもなく抜く可能性が高くなった。次のターゲットである105円、さらには110円への展開が予想されることから、株価も連動してさらに高値を更新することが考えられる。下記グラフ@参照。A空売り比率が依然として高い水準にある。先週末の11月29日は空売り比率は30.2%、12月3日は28.4%と売り込みが高いままである。踏み上げによるもう一段の上値が予想できる。下記グラフA参照。B米国株に比べ依然出遅れ感がある。今年1年のみに限定すれば日本株の上昇率は高い印象はあるが、数年単位でみると、かなり出遅れている。下記のグラフBを見れば明らかである。C東証一部の騰落レシオは昨年12月19日164.5%、今年5月10日152.1%であったが、6月26日に68.1%まで反落後、12月2日現在112.0%と低い水準にある。東証マザーズにいたっては騰落レシオは79.5%である。いずれも上値余地がかなりあると判断できる。以上強気要因を羅列した。一方、懸念されるテクニカル要因として裁定買い残高がある。11月22日現在、4兆575億円円である。今年5月17日、4兆3142億円をピークに裁定解消により大きく反落していたことがあったが、今回も、もう一段の積み上げ後は警戒すべきだろう。下記グラフA参照。
グラフ@
グラフA
グラフB
グラフA
2013年11月16日16:00 相場見通し
踏み上げ相場の様相
年内、11月中にも日経平均株価16000円に到達か
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先週の上昇ピッチはファンダメンタルズよりもテクニカル的な要因が強い。11月5日から空売り規制を緩めたことにより先々週に空売り比率が高まった。その後、先週の米国FRB次期議長イエレン氏の金融政策表明による米国株上昇の影響をうけ、空売りの買戻しが入ることにより大幅上昇に繋がったと考える。今後も空売りの買戻しが上昇の原動力になると思われ、日経平均株価は早期に16000円に到達するのではないか。
それでは空売り比率の5月23日の日経平均株価の高値以降の推移を下記の図に表したい。
11月1日以降の空売り比率の推移の表と日経平均株価との相関チャートは次の通り。
月日 |
11/1 |
11/5 |
11/6 |
11/7 |
11/8 |
11/11 |
11/12 |
11/13 |
11/14 |
11/15 |
空売り比率 |
23.5% |
29.2% |
28.1% |
30.6% |
28.4% |
30.6% |
29.9% |
28.1% |
27.9% |
26.4% |
11月5日より空売り規制を緩めたことにより、前日の11月1日に比べ11月5日は空売り比率が6%程上昇している。上記の空売り比率推移で見ると、空売り規制緩和前は安値時は25%、高値時は20%で推移しているが、空売り規制緩和以降は安値時は30%であり、日経平均株価16000円の時点の空売り比率は23%程度と予測する。現在の空売り比率は26.4%だから今後さらに3%程の買戻しが入ることにより日経平均株価16000円到達を早めるのではないか。
2013年9月2日16:00 相場見通し
為替に連動する日経平均株価を算出
ー中長期展望ー
2014年4月に23727円〜2025年8月に36217円
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日々、円安になると株価が上がり、円高になると反落する、そんな株式相場が続いている。ではどの程度連動性あるのかを検証してみたい。下記のチャートは昨年の11月13日から2013年8月23日までのドル円と日経平均株価の動きを表したものであるが、このチャートから見て、かなりの連動性の高さが確認出来る。今後の株価動向も為替連動となる可能性が高いと考える。
次に、下記は同期間のドル円と日経平均株価の散布図と近似線と近似線算式である。
ドル円と日経平均株価の相関関係の近似線の数式がY(日経平均株価)=277.54X(ドル円為替)−13740と導き出され、ドル円の予測値を確定すれば、日経平均株価が算出できる。
ドル円為替の予測値は若林栄四氏の見解を採用したい。彼は明快な理論と豊富な経験を持つ為替の専門家であるが、2014年4月に135円、2025年8月180円を予測している。私はこの予測値の確率は高いと考えているので、この為替で計算したい。
では、為替予測値を日経平均株価算出方式に算入。
ドル円為替135円の場合、日経平均株価=277.55×135−13740=23727円
ドル円為替180円の場合、日経平均株価=277.54×180−13740=36217円となる。
つまり、日経平均株価の予測値は2014年4月は23727円、2025年8月は36217円となる。
2013年8月23日8:50 相場見通し
夏枯れ相場 は今週末で終了か
ー来週から株式市場は徐々に上昇トレンドに変わる公算ー
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昨日8月22日の日経平均株価13238.73円で底打ちしている可能性があるが、再度下げても、13,000円割れが下限と考えている。いずれにしても、来週からは陰の極を脱し、徐々に上昇トレンドに変わっていくものと思われる。日経平均株価のPERは前期ベースだと22倍だが、今期ベースで15倍、13000円だと14.5倍とかなりの低PERである。昨年の11月13日の日経平均株価8619.45円の底値からのチャートを見ると、底値の節目は70日前後で付けており、上値は60日前後で付けているのが解る。したがって、8月22日は底値の可能性が高いと考えている。(図@日経平均株価推移参照)
日本の株式市場はドル円為替に連動するパターンになっているが、基本的には為替は大勢円安トレンドである。しかし、今回の調整局面では短期的に103円台から93円〜95円台の円高となり、株価を押し下げていたが、日米のマネタリーベースの推移を見ると、徐々に円安トレンドに戻ると考えられる。したがって、株価も上昇トレンドになる確率が高い。(日米のマネタリーベースの推移と日米のマネタリーベース伸び率:前年同月比比較を参照)
下記のチャートは黒田日銀総裁が就任後の日米のマネタリーベースの推移であるが、上の図のマネタリーベースの金額のチャート比較ではほとんどパラレルに増加している様に見えるが、下の図のマネタリーベースの伸び率比較でみると、日本の方が、米国より10%程伸び率が高いことがわかる。したがって、徐々に円安になる可能性が高いと考える。
2013年7月14日18:30 相場見通し
アベノミクス成功の決め手は消費税増税の見送りである
ー消費税増税を見送れば日経平均株価3万円が視野にー
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逆に、2014年4月から消費税増税を実施するとアベノミクスの最大の課題であるデフレ脱却が出来ず、日本経済再生に失敗する恐れがあり、小沢一郎が予想する安倍政権短命説が現実化する。2015年にようやくデフレから脱却出来るかといった状況の中で、2014年からの消費税増税はあまりにも危険である。デフレ脱却し、適正なインフレ経済が定着し、経済が力強く回復基調になってからでないと2007年と同じ轍を踏むことになる。消費税増税の見送りを第4の矢として放つことがアベノミクス成功の決め手となる。参議院選挙において、自民党が圧勝し、非改選を含めて単独過半数を確保できれば見送りが実現可能である。第一の矢である黒田日銀の金融緩和政策と第四の矢を加えることでアベノミクスが盤石の策になる。10月には安倍総理が実施か見送りかの意思表明をすると思われる。この矢を放てば日経平均株価は2万円以上を目指すだろう。
消費増税案は1000兆円の借金の日本の財政立て直しという大義名分を掲げ財務省主導で作られたものであり、無能な野田民主党が国民にギリシャやイタリアと同じだというような危機認識を持たせて、政治生命をかけるとしつこく言って成立させたものである。しかし、15年以上もデフレが続いている時期の消費税増税はとんでもない自殺行為であり、安倍総理は真に政治生命をかけて見送りを決断すべきである。日本経済を救った総理として歴史に名を残すか、単なるブームで消え去る総理で終わるのか、この一つの決断で決まる。
2013年6月27日10:00相場見通し
小型株を代表するマザーズ指数は本日(6月27日)底値を確認
既に底値(6月13日)を確認した日経平均株価と共に上昇軌道に入る
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本日6月27日小型株の代表指数である東証マザーズ指数が584.95を付け、大底を付けた公算が極めて高い。大型株を代表する日経平均株価は、既に6月13日に12415.85円を付け底値を確認している。これで小型株から大型株まで一様に再度、上昇波動に乗ることになるだろう。
昨年の11月13日を起点として、上昇波動に乗った株式市場であるが、特に小型株を代表するマザーズ指数の上昇が強烈であった。その分反動安も激しく、3倍近く上昇し、ほぼ半値にまで反落した。それに対し、日経平均株価は倍近い上昇に対し、2割程度の下げで収まっている。しかし、昨年11月13日の起点から押目(底値)までの上昇率は日経平均株価の41%に対し、マザーズ指数は55%と高い。外人投資家と個人投資家主導による相場環境ではやはり中小型優位が続くと考える。
下記の表は日経平均株価とマザーズ指数の株価推移をまとめたものである。
日経平均株価とマザーズ指数の株価推移(2012年11月〜2013年6月) |
日経平均株価 |
スタート |
高値 |
押目(底値) |
月日 |
価格 |
月日 |
価格 |
月日 |
価格 |
2012/11・13 |
8819 |
2013/5・23 |
15942 |
2013/6・13 |
12415 |
マザーズ指数 |
月日 |
価格 |
月日 |
価格 |
月日 |
価格 |
2012/11・13 |
377 |
2013/5・8 |
1083 |
2013/6・27 |
584 |
2013年6月17日9:00相場見通し
日経平均株価の12500円は底値近辺だが
為替次第では一段安の警戒が必要か?
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ドル円為替93.75円で円高局面が終了したのかどうかが株価動向のカギを握っている。6月13日の93.75円で円高局面が終了し、円安に反転すればほぼ間違いなく株価は上昇相場に発展するだろう。しかし、更なる円高になる様であれば、再度株価も下値を模索する展開になる可能性がある。93円台を超えれば、90.50円の節目まで突き進む可能性があるので警戒したい。
2013年6月8日8:30相場見通し
6月7日に底値確認
5月中旬からの下げ相場は終了し、本格的な上昇相場に発展
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昨日6月7日に日経平均株価12548.20円、JAQ指数81.44、東証マザーズ指数646.27の安値を付け5月中旬からの調整は完了したと判断。日経平均株価は昨年11月の安値から今年5月の高値までの上昇幅の46%を調整、マザーズ指数は62%調整した。又、東証一部の騰落指数も76.9%を付け、これは昨年8月の79.0%を下回る1年振りの低い数値であり、大底を示唆している。
今回の調整はファンダメンタルズの要因による下げではなく、単にハイピッチの上昇の反動安と言うテクニカル的な調整に過ぎないのでこれ以上下げることはないと考える。
今後は小型株から大型株まで、好業績株、成長株等と広範囲に物色され、参議院選挙に向けて強気相場で上昇基調は10月まで続くだろう。
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基点(11/13) |
高値(5/中旬) |
安値(6/7) |
上昇幅 |
下落幅 |
下げ率 |
安値/高値比率 |
日経平均株価 |
8619 |
15942 |
12548 |
7323 |
3394 |
46% |
78% |
マザーズ指数 |
377 |
1083 |
646 |
705 |
436 |
62% |
60% |
2013年5月26日21:00相場見通し
日経平均株価は1カ月程度不安定な動きか
裁定買残高の整理終了後は再度上昇相場に
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先週の日経平均株価が2日間で2000円も急落したが、これは明らかに裁定解消売りによるものである。現在(5/17現在残高、5月24日残高は28日に発表)の裁定買い残高は4兆3142憶円と今年の初めからほぼ2倍に膨らんでおり、大量の解消売りが出て5月22日と23日の2日間でほぼ2,000円も下落した。今後3兆円ぐらいまで整理が必要と考えられるので、その間は日経平均株価の上値は抑えられ、下値目途は13500円〜14000円辺りだろう。1か月ぐらいの整理期間終了後再度上昇相場に入り、10月には18500円から20000円を射程圏に捉える展開になると予想している。調整期間中は中小型が優位だが、整理終了後は中大型株が主役になるだろう。
下記のチャートが示しているように日経平均株価は裁定買い残の動向とほぼ一致している。再上昇後は裁定買残高は6兆円ぐらい迄拡大すると予想。
2013年5月20日12:00相場見通し
今年の高値は10月で、日経平均株価18500円〜20000円も
黒田日銀の異次元の金融緩和効果で想定外の株高実現か
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黒田日銀の金融緩和政策は確かに白川日銀の政策なり理念とは根本的に異なるのは明白であるが、米国FRBの政策とほとんど変わらない。しかし、異次元と言う言葉を使うからには既に発表された政策以外に想定外の追加策を温存している可能性も考えらる。2015年までの2%の物価上昇が前倒しで達成される可能性についての黒田総裁発言もあり、想定外の株高実現もありうる。米国の株式時価総額は実質GDPの1.134倍である。日本の実質GDPは517兆円であり、日本の株式時価総額が米国並みの比率になれば、517兆円×1.134倍=586兆円になる。現在の日本の株式時価総額は439兆円だが、586兆円になれば、日経平均株価は15138円×1.335倍=2万200円になる。今年の高値の目途はリーマンショック前の高値18,261円抜けから20000円とし、時期は10月と予想する。
2013年5月16日12:00 相場見通し
短期調整入り〜特に小型株の下げが大きい
指数で20%の下げ、個別では高値から半値以下の銘柄jも
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調整期間は1カ月、調整幅は20%以上になりそうである。マザーズ指数の場合、5月8日の1083を高値として800まで調整する可能性がある。日経平均株価は昨日5月15日の高値15096円から13500円ぐらいまで調整すると考えている。勿論天井を付けた訳ではないが一旦売却するのが賢明だと思う。6月迄は調整局面と考えられるので、安易な押し目買いは評価損を広げる恐れがあるので、投資対象は今まで物色対象から外れていた銘柄の方が有利だろう。調整終了後は小型株より東証一部の中大型株のパフォーマンスが良いと考える。
2013年4月29日20:00 相場見通し
今年の日経平均株価の短期波動を予測
高値9月15500円〜押し目11月12500円
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今年の日経平均株価の短期の波動を予測したい。宮原経済研究センターの独自分析によると高値は9月で15,500円、11月に12,500円迄押した後反発に転じると予測している。波動をチャートに表すと下記の図の様になる。
年内の高値は15500円とし、時期は9月としているが、前後にずれ込む可能性があり、高値形成後は10%〜20%の調整は避けられないだろう。
2013年4月29日11:00 相場見通し
PER25倍日経平均株価2013年〜2015年の推移
2013年15338円〜2014年19632円〜2015年25129円
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日経新聞の集計によると、4月26日までに上場会社の社数で10%、時価総額ベースで20%の企業の決算が発表されたが、今期の経常利益は28%増の見込みである。今期決算がすべて発表された場合も28%増と想定し、更に2014年度、2015年度も同様の増益率とした場合のPER25倍の日経平均株価をチャートに表したのが下記の図である。
2013年の高値が15338円、2014年は19632円、2015年は25129円であるが、当サイトの4月7日の相場見通し欄でNY株式との相関性で計算した日経平均株価の高値が2013年が15500円、2014年が18800円、2015年が26000円と、今回の数字にかなり近い。
2013年4月15日9:30 相場見通し
円安メリットが薄れた輸出関連企業
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当然ながら輸出企業にとって、円安は業績のプラス要因になるが、1990年代以前程のメリットはなくなっている。1998年8月の147.64円から2011年11月の75.52円まで、13年でほぼ倍の円高になり、その間、海外生産体制を強化し、円高に耐えられる企業体質に切り替えた。つまり、円高デメリットを減少させることによって、円安メリットもあまり享受出来ない企業体質になった。
4日8:00 相場見通 し
(総務省統計局及び経済産業省のデータに基づき作成)
海外生産比率は、2011年には1995年に比べ、2倍以上になり、2016年の見通しは20%を超えている。輸出比率は、2005年は18.4%であるが、その後のデーターはないが、2016年には輸出比率と海外生産比率がほぼ同率になりそうである。但し、急ピッチの円安トレンドが継続すると、徐々にではあるが、国内生産へ回帰し、空洞化現象が改善することも考えられる。
海外生産生産比率と輸出比率はあくまで日本の製造業全体の数字であり、当然ながら、個別の企業体質はそれぞれ異なる。ここで言いたいのは円安メリットは特に輸出企業が最も受けるわけではないので、円安局面で輸出関連銘柄に投資のウェイトをかける必要性はあまりないということである。
2013.4.7.11:00 相場見通し
FRBは日銀の失敗例から学び実行、黒田日銀はFRBの成功例を学び、実行
デフレ脱却を前提に日経平均株価を推測
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バ―ナンキ(Ben.Bernanke)FRB議長はデフレの研究に優れ、ノーベル経済学賞受賞のポール・クルーグマン教授とは同僚で友人でもある。1930年代の大恐慌の原因は通貨の供給不足だとするフリードマン教授の信仰者で「デフレ脱却の為にはヘリコプターからお札をばら蒔けば良い」と発言し、「ヘリコプター・ベン」との異名がある。また、2003年には日本の金融政策に対し「2001年からの日銀の量的金融緩和政策は中途半端であり、物価がデフレ前の水準に戻るまでお札を刷り続け、さらに日銀が国債を大量に買い上げ、減税財源を引き受けるべきだ」と訴えていた。2006年2月にFRB議長に就任したが、2008年のリーマンショック後にマネタリベースを3倍に引き上げることにより、景気を回復させた。
黒田日銀はFRBの成功例を参考に実行することで成功確率は極めて高いと言える。2年以内の2%のインフレさらには3%の名目成長率も達成できるだろう。
では黒田日銀の新政策により、デフレを脱却できた場合、株式市場はどこまで回復するかを考えたい。
まず、1989年から現在までの日経平均株価とNYダウ平均株価との株価推移を見てみよう。
日経平均株価は完全に右肩下がりであり、NYダウ平均株価は右肩上がりである。米国経済は1993年以降は2%台の適正なインフレ経済に対し、日本経済は1995年から消費者物価指数がマイナスに転じ、デフレ経済突入している。デフレ経済と適正なインフレ経済の違いがはっきりと株価に表れている。
次に、NYダウ平均株価の推移を参考にして日本経済のデフレ脱却を前提にした日経平均株価を推測したい。
デフレ脱却を前提に日経平均株価を予測 |
年 |
NYダウ |
起点 |
2013年比
倍率 |
予測日経平均 |
高値への到達時期 |
1989 |
2753 |
起点@ |
5.32倍 |
206250円 |
2025年迄の高値目途 |
1990 |
2999 |
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1991 |
2863 |
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1992 |
3413 |
起点A |
4.30倍 |
61500円 |
2020年迄の高値目途 |
1993 |
3435 |
|
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1994 |
3978 |
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1995 |
4708 |
起点B |
3.11倍 |
43600円 |
2017年高値目途 |
1996 |
5346 |
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1997 |
8259 |
|
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1998 |
7539 |
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1999 |
10559 |
|
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2000 |
11722 |
起点C |
1.25倍 |
26000円 |
2015年高値目途 |
2001 |
11337 |
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2002 |
7286 |
|
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2003 |
9275 |
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2004 |
10737 |
|
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2005 |
10940 |
|
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2006 |
11150 |
|
|
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2007 |
14164 |
起点D |
1.03倍 |
18800円 |
2014年高値目途 |
2008 |
11543 |
|
|
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|
2009 |
6547 |
起点E |
2.20倍 |
15500円 |
2013年高値目途 |
2010 |
11205 |
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2011 |
12810 |
|
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2012 |
13025 |
|
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2013 |
14662 |
着地点 |
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したがって
デフレ脱却を前提にした日経平均株価の高値目途は
2013年は15,500円
2014年は18,800円
2015年は26,000円
2017年は43,600円
2020年までに60,000円
2025年までに200,000円に到達可能と考える。
(宮原経済研究センター 宮原)
2013.3.25.20:30 相場見通し
2015年のデフレ脱却時点には日経平均株価は
1996年6月高値22666.80円抜けの公算大
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黒田日銀総裁は2%のインフレ目標達成を2年を目途としている。消費者物価は1997年をピークとして現在まで一度もその水準を超えたことがなかった。しかし、日銀新体制は2015年春頃には2%のインフレを達成することを責任を持って約束するとしている。
岩田日銀副総裁はデフレは貨幣的現象と断言しており、黒田総裁は銀行券ルールにこだわらずやれることは何でもやると表明しており、デフレから脱却出来る可能性は極めて高い。そして、株式市場は2015年春頃にはデフレ経済に突入直前の日経平均株価高値の22666.80円を超えているだろう。また、ドル円為替についても、1997年5月は127.47円、1998年8月147.64円であったが、2015年の$円為替は120円〜140円の水準になっている可能性がある。
1989年、日経平均株価は38915.87円でピークを打ち、現在24年経過しているが、高値とは程遠い水準で低迷している。歴史的に見れば米国の1929年に始まったウォール街の大暴落で1932年には89%下落し、世界大恐慌に発展したが、25年後の1954年には高値に到達している。日本の株式市場は1989年の高値から24年たった現在、そろそろ史上最高値の38915、87円をいつ更新するかを意識してもいいのではないか。1965年は昭和40年不況で山一証券が危機に瀕し、当時の田中角栄総理大臣が日銀法25条に基づく無担保・無制限の特別融資を実施し、危機を乗り越えたことは日銀特融として有名な話だが、2015年はそれからちょうど50年目に当る。米国株式市場は大恐慌で1932年に大底を打った後、50年後の1982年から大幅上昇相場になっているが、同様に、日本の株式相場も2016年から本格的な大相場になる可能性があり、そして日経平均株価の40000円台達成もあるのではないか。尚、50年周期については黄金分割で導き出したものであり、若林栄四氏(東銀-勧角証券-現在、ワカバヤシFXアソシエイツ)の見解である。
2013.3.17.18:30 相場見通し
黒田日銀新総裁の誕生により更に強い相場展開が期待出来る
2014年にリーマンショック前高値日経平均株価18,261円を抜く公算
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日銀新総裁が誕生後は株式市場は黒田総裁や岩田副総裁の発言をかなり意識する展開になるだろう。市場の注目は安倍総理発言から黒田総裁発言に移行する。黒田総裁や岩田副総裁の考え方は白川前総裁の考えとは大きく異なっている。白川前総裁は自国通貨の信認が最大の目標であり、基本的な考えはインフレファイター(インフレを抑える)である。自国通貨が高く評価され(円高)、インフレを避けることが目標であった。しかし、今度の新体制の理念はデフレ脱却が最大の目標であり、一定のインフレつまり、2%のインフレの継続を目標とする政策であり、いままでとは180度異なる政策理念であり、株式市場が大きく反応するのは当然である。新体制の政策は米国のFRBのバ―ナンキ議長やグリンスパン議長の政策理念と共通している。したがって、黒田総裁や岩田副総裁は株式市場が好感する政策を打ち続ける可能性がある。
3月20日に新総裁及び副総裁の誕生だが、最初の仕事は白川前総裁が政府と2%のインフレ目標の共同声明時で決めた14年から実施する資産買い入れ内容の修正である。1年以内償還の短期国債ではなく5年以上の長期国債にし、早期に実施にすることである。この修正だけでかなり金融緩和効果を高めることが出来る。
株式市場は景気の先行指標でもあり、景気の回復感を与える効果がある。また、消費の促進効果もあり、間接的なインフレ効果もある。株価の上昇はインフレや景気回復の為にかなり重要な役割を果たすことから、日銀の政策はFRBと同様に株式市場をかなり意識した政策になると思われる。
NYダウは2008年9月のリーマンショックで直前の2007年10月高値から40%近く下落したが2013年3月に全値戻しをしている。大きな要因はその間にFRBがマネタリーベースを3倍に引き上げたことである。同様に日経平均株価も40%下落しているが、日銀はマネタリーベースをほとんど引き上げなかった。この差が株価や景気の回復に日米の大きな差となった。日銀の新体制による資産買い入れベースを2年続ければほぼマネタリーベースは3倍になると考えられるので、日経平均株価は2014年にはリーマンショック前高値である2007年7月の18,261円を抜く可能性がきわめて高いと考えられる。
2013.2.28.21:00 相場見通し
2014年〜2015年には日経平均株価25,000円に到達も
アベノミクス効果
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宮原経済研究センターの日経平均株価の上値算出式によると日経平均株価の高値は7,054円×(0.818×1.5975+2.5741)=27,375円と計算出来る。
アベノミクスは特別な秘策ではない。デフレ不況はやるべき政策をやらなかった結果であり、アベノミクスはやるべき当たり前の政策を掲げただけである。
過去20年近くもデフレ経済を放置すること自体異常であった。デフレと円高は金融政策だけで解決出来るが、それをやらなかった日銀の罪は相当重い。特に2006年にデフレ解消しかけた時に金融緩和策を打ち切り、再度デフレに落ち込んだが、これは明らかに日銀の判断ミスであった。この時の総理大臣は安倍晋三で金融緩和継続意向を伝えたが、日銀は打ち切りを強行した。この意志決定には当時日銀の企画部のリーダーであった白川日銀総裁が深く関わっていた。安倍総理は退任後もこの時の日銀への憤りの思いを持ち続けていたが、再度総理に復活してこの過ちを二度とするわけにはいかないとの強い思いでアベノミクスを打ちたてた訳である。国会答弁でもこの当時の日銀の政策を強く批判している。アベノミクスとは金融緩和、財政出動、成長戦略の3本建てあるが、柱は何と言っても金融政策である。2%のインフレと円安は金融政策だけで達成できる。これに加え、財政、成長戦略が加われば、3%の名目成長率も達成可能である。この実現の為の大きな役目は日銀であるが、総裁や副総裁だけの交代だけではなく、日銀の政策理念をも修正する必要があり、日銀法の改正はやるべきである。
株式市場については、株式相場は景気の先行指標でもあり、アベノミクスの実現可能を見込んで、かなりの上昇相場が今後数年間実現すると見ている。
20年近いデフレ・円高が続き、消費者物価の下落に加え、株式相場と不動産価格下落などの資産デフレが激しく、バランスシート不況が長期にわたって続いた。今後は政策の実現によって、消費者物価下落と資産デフレは解消するだろう。
日経平均株価は1989年に38915円を付けたが、20年後の2009年に7054円まで下落し、大底を打った。この下落幅と期間は世界各国と比較しても異例である。日本だけがデフレ不況に苦しんだ20年であった。
20年前と現在の世界主要国株式市場と日本の株式市場を比較したグラフが下記の図である。
主要先進国の20年前と現在の株価の比較をすると、日本以外はすべて値上がりしている。米国やドイツは230%以上値上がりし、一番値上がり率の低いイギリスでも72%の値上がりをしている。
日本はデフレ経済でなければ、少なくともイギリス並みの値上がりをしていただろう。今後の日本はデフレ経済の脱却をして、2%のインフレと3%前後の名目成長率が可能となれば、株式市場はここ数年で1993年比でイギリス並みか少なくとも50%以上の値上がりが見込めるだろう。つまり、1993年12月末日経平均株価17417円×1.5=26125円となる。
当研究センターの算出株価とかなり近い株価であり、現実性が高いと考えている。
(尚、宮原経済研究センターによる算出法は年会費の情報会員には計算の詳細を送信致します。)
2013.2.22.8:30 相場見通し
日経平均株価は深押しなく、決算月の3月末は13,000円を目指す展開
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上記のグラフを見ると分るが、日経平均株価は2012年11月13日の8,619円から2013年2月20日の11,510円まであまり大きな押し目を入れずに上昇してきたが、騰落レシオ(25日)は12月19日の164.5%をピークに調整しており、2月20日には102.8%まで下落している。つまり、12月19日以降相対的に値下がり銘柄が値上がり銘柄を上回る状況が続いていたことになる。その間、日経平均株価はほとんど上昇し続けているが、個別銘柄を見ると全面高の様相とは大きく異なり、かなり調整している銘柄も多い。この様に個別銘柄は各々上昇と調整を繰り返しながら、全体の指数である日経平均株価は高値を更新してきたことになる。つまり個別の銘柄が高値のしこり玉を残さずに調整しながら日経平均株価が上昇しているので、今後も全体の株価指数は深押しなしに上昇する公算が高いと考える。年内の日経平均株価の高値は15,000を目指す展開になると予想しているが、決算月の3月末は甘利明経済財政・再生相が2月8日の講演会で13,000円を目指したいと語っていることからも、13,000円前後の株価は期待出来る。
2013年1月4日8:00 相場見通し
今年の日経平均株価の高値は14000円台から15000台と予想
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宮原経済研究センターとしては今年の日経平均株価の高値を14000台から15000円台と考えている。
1月3日付けの日経新聞の主要企業の経営者20名の見通しでは、日経平均株価の高値は最高値は13500円、最低値は11000円であり、平均値は11825円であった。企業経営者は現在の経済環境が悪いことや、安倍政権が掲げる金融経済政策の実効性に現段階では十分な確信が持てないので、株式市場にもほどほどの強気にしかなれなかったといった感じである。不安があるとすれば白川日銀総裁が安倍政権の政策に十分対応できる金融政策を実行できるかどうかにかかっている。日経新聞のインタビューでもかなり間の抜けた発言(アンケートを取ったら「国民の80%が物価が上がることを望まない」と発言しており、考えられないことではあるが、これは日銀総裁がなだらかなインフレ効果を理解出来ないマクロ経済の解らない頭の構造をしている可能性がありきわめて危険である。ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン教授はインタビューの中で「13年連続でデフレ不況が続き、それを放置する白川総裁等は銃殺すべき」と述べている。)をしているので一抹の不安を感じるが、今年4月に白川総裁の任期切れになることから、安倍新政権の経済金融政策を十分理解できる新総裁を任命することで円安と2%の物価上昇率、3%の名目成長率はほぼ達成できると思われる。
$円相場は2011年10月の75.52円で円高は終了し、円安トレンドに入っている。(1998年8月に147.64円の円安後2011年10月に75.52円の円高で終了、1990年4月には160.35円から1995年4月の79.75円までの円高を付けたが、この2つのケース共ほぼ半値で円高は終了している。)今後は一目均衡表の月足の節目である先行@の90円を抜けて先行A101円台の円安になると思われる。
100円の円安と2%の物価上昇率で株式市場は一段と上昇すると考えられるが、1989年のパブル期の日経平均株価の高値38915.87円からの下げ相場の中でチャート上14500円近辺は大きな節目になっている。また、日経平均株価の今期は25%増益と予想されるので、今期の1株利益は606.52円となり、日経平均株価は606.52円×25倍=15163円と計算出来る。来期も25%増益が予想されるので、来期ベースのPERは20倍となり、15000円に割高感がなくなる。(尚、情報会員サイトでは$円為替と日経平均株価を月足チャート上で詳細に解説している。)
したがって、日経平均株価は14000円台から15000円台と予想できる。
新年明けましておめでとうございます。
今年は20年間の長期デフレ時代からようやく脱出し、デフレ脱却元年になりそうです。株式市場において日経平均株価は1989年末の38915.87円をピークに19年3カ月後の2009年3月に7054.98円と高値からほぼ5分の一になり、大底は打ったと断言したい。
今年、宮原経済研究センターとしてはより情報の質の向上を図り投資活動に一層貢献出来る様努力していく所存であります。
今年もよろしくお願申し上げます。
2013年1月1日
宮原経済研究センター
代表 宮原 卓 |