WEBミニ講演会 バックナンバー |
ついに石原慎太郎氏が新党を立ち上げ国政の改革に乗り出した。かって小泉一郎氏が自民党をぶっ壊すと言って自民党の改革を試みたり小沢一郎氏が自民党の単独政権の弊害を訴え二大政党制を確立したのとは違う。長期に政権を担当した自民党と政権の経験のない素人集団のような理念なき民主党との二大政党も古い政治体制である。 しかし、石原氏の改革は戦後の政治体制の本質の改革を目指しており、橋本氏の維新の会とは理念が共通している。石原氏は新党立ち上げと都知事退職の会見の際に国政の問題点の一つに日本国の貸借対照表(B/S)のないことを指摘し、専門家による第3者機関を設立し、日本の資産査定をすべきと主張していた。政府は日本の借金が1000兆円とGDPの2倍になり、南欧諸国と同様、危機的状況であるということで消費税増税を強引な手法で決定したが、その増税の必要な根拠として借金ばかり言って資産に触れていない。一般的には資産は650兆円あると言われている。しかし、これは原価の資産であるので、時価会計でのB/Sを作るべきである。50年前とか100年前の資産の場合だとゼロの償却資産もあれば何百倍にもなる時価評価資産もある。時価会計の資産が仮に原価650兆円の2倍であれば、借金の1000兆円を超える訳で、逆に資産大国になる。資産価値を洗い出し、日本の純資産を明確にすべきである。赤字国債を毎年40兆円発行して、国の借金がGDPの200%を超え表面上イタリアを超える借金大国になりながら短期金利はゼロで長期国債の金利は1%と超j低金利が続いている。しかし、本当に日本がイタリア並みの借金大国で返済不能懸念があるならば、長期金利は必ず上昇する。つまり、政府が国民に対し事実を正確に伝えていない可能性があると言える。政府がと言うよりも官僚が把握していても政府に事実を正確に説明していないのかもしれない。 また、石原氏は都知事として国政に関わる案件で政府との交渉や手続きで苦労させられたと国政の古い体制の問題点を挙げていた。橋本氏も同様の経験をして国政体質の弊害を指摘している。 いずれにしても現在の国政体制は組織が硬直化し既得権の維持に拘ることによる弊害も多く、時代の変化に対応しきれずに非常に非生産的になっている。 石原氏や橋本氏による国政の改革は日本経済の再生に不可欠である。 |
||
トップページ |
消費税の増税策について 2012.9.4 野 野田首相は消費税増税に政治生命をかけると言って、自公を巻き込んで法案を成立させた。増税に政治生命をかけるというのは政治家として問題があるのではないか。現在のデフレ不況の最中に増税はきわめて危険な政策である。国家予算90兆円に対し45兆円の税収であるので、毎年45兆円の赤字国債の発行している状態を改善する為、消費税5%のアップで12.5兆円の収支改善が出来ると考えての策である。増税策を訴えていた民主党議員は一般家庭の例をあげて、給料45万円の家庭で90万円の支出状態を改善するには給料を60万円にでもアップして、収支を改善すべきであり、従って、増税は待ったなしであるような説明をしている。国家ベースと個人ベースはマクロとミクロの世界で根本的に異なる。 消費税増税は買い控えを引き起こし、国内消費が減少する可能性が高い。国内総生産の60%を国内消費が占めており、国内消費減は国内経済活動を悪化させる。そうなると、景気がさらに低迷し、法人税、所得税の減少に及び、同時に消費税も計算上の税収が得られないことになる。その為に景気がさらに悪化し、税収はあまり増えずに財政収支が改善しないと予想される。 終戦直後の国家の負債は国内総生産の250%であったが、5年後には50%まで減少した。改善の大きな要因はインフレであった。現在の日本の負債比率は200%とかなり高く、イタリヤよりも悪い比率である。この要因は長期にわたるデフレによるところが大きい。やはり、現在の日本はこのデフレ脱却を最重要課題と考えるべきだが、直近も日銀はインフレ目標を1%と低い数字を挙げている。これでは一向にデフレ脱却が出来そうもなく、景気回復もなかなか期待できそうもない。 平成24年3月23日 日本経済の最も問題は20年以上もデフレが続いていることである。資本主義はデフレ経済では成り立たない。 この長期にわたるデフレ経済はいろんなところに歪を生じさせてしまった。 1、国と地方の債券発行額は1000兆円と日本のGDP(500兆円弱)の2倍以上と異常な事態になっている。 2、年金のシステムも継続不能状態になっている。 3、国家予算に対し、収入である税収が半分しかなく、半分の不足分を国債の新規発行で補っている。 これらはデフレ経済の結果生じた現象である。 最近は日銀が1%の物価上昇の目標値を掲げていたが、危機意識が感じられない。少なくとも2〜3%の物価上昇の目標値を掲げ、経済成長率も実質2%、名目4〜5%を掲げるべきである。これぐらいの数値を達成しない限り、いろいろな経済の歪を修正できない。 株式市場も1989年の日経平均株価38915円から、現在22年以上経過して4分の1の水準であるが、これは先進諸国の株式市場の歴史でかってなかったことである。1929年のアメリカの大恐慌でも25年で高値を更新している。 ここはデフレ脱却の為の思い切った政策をとること以外策はない。第二次世界大戦敗戦後の日本の債務はGDP比200%を上回っていたが、4〜5年で50%まで改善している。今回もインフレ政策をとることしかなく、そのことによって、債務のGDP比大幅削減、円安、年金システムの改善等が達成可能になる。こういう状況になれば、日経平均株価38915円の更新も可能になるだろう。 |